校歌、県歌などを歌うのは×…小学校生活の禁止事項

両親が信者になった途端、さまざまなことを禁止された。

・国歌、校歌、県歌などを歌うこと
・騎馬戦や剣道の授業など戦いにあたる競技
・誕生日やクリスマスなど異教の習わしにあたるイベント
・ニュースや、動物を扱った番組以外のテレビ番組、ゲーム全般

小1の頃は、運動会などの学校行事に参加せず、クリスマス会や誕生日会、校歌斉唱時は隅で座って見ていたため、必ずクラスメートからからかわれた。

「信者でない人は、ハルマゲドンで神に滅ぼされ、信者だけが生き残り、楽園で永遠に生きると教えられていたため、当時の私は、『みんな信者じゃないから死んじゃうんだ。なら僕も死んでもいいや。でもハルマゲドンは怖いな。その時みんなで一緒にいれば平気かな? なんて考えていました」

廊下で一人、悲しんで座り込んでいる少年
写真=iStock.com/kieferpix
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学年が上がると、クラス替えの度に、担任教師やクラスメートに、自分は宗教のせいで参加できないことがあるという旨を、自分の口で説明することを強いられた。

「それが嫌で嫌で仕方なかったですが、同学年に1人だけいた同じ信者のHくんは、小学生の頃から髪を七三分けにして、先生やクラスメートに堂々と説明していました。そのためHくんは私より変な目で見られていて、私は『あんなふうになりたくない!』と反面教師にしていました」

桜木さん一家が入信してから、近くに住んでいた父方の祖父母と桜木さんの父親は、度々口論になっていた。

「孫誕生日祝いやお祭りに連れて行くなどを禁止され、祖父母面白くなかったようです。私たちのことで祖父母と父がケンカになるのはいたたまれませんでした」