給湯室という名のお仕置き部屋で泣く子供

週3回の集会のときは、集会所に集まり、トップや講演者からの話を長時間聞いた。

しかしまだ幼かった桜木さんは、退屈でたまらない。もぞもぞしているのが別の信者に見つかると、「一度連れて行かれたほうがいいかもしれないですね」と両親に言われる。

すると父親が、「そうですね」と言い、嫌がる桜木さんを給湯室兼お仕置き部屋に連れて行く。

給湯室の壁にはお仕置きするための道具が掛けられている。それをまず桜木さんが取り、「お願いします」と言って父親に渡し、ズボンと下着を下ろす。お仕置きは生尻に受けることに決まっているのだ。しかし恐怖のあまり、泣き叫びながら逃げてしまうことも。逃げるとお仕置きの回数が増した。父親が振り下ろした道具が桜木さんのお尻に命中すると、声も出ない。桜木さんは痛さと恥ずかしさと悔しさで泣くが、父親は「ありがとうと言いなさい。神に感謝しなさい」「言わないともう1回増えるよ」と容赦ない。桜木さんがやっとの思いで「ありがとうございました……」と言うと、無理やり泣きやまされ、再び集会場へ。

もう殴らないで、と手をこちらに向けて訴える少年
写真=iStock.com/gan chaonan
※写真はイメージです

だが、お仕置き道具で叩かれた痛みで再びもぞもぞしていると、「もう一度連れて行かれたほうがいいかもしれないですね」と言われる。こんなことが繰り返された。

「よく、大人たちはどんな道具が痛いか、どう叩いたら痛いかを笑いながら話していました。そりゃそうですよね、自分たちはお仕置きされたことなんてないんですから」

今も桜木さんの記憶に刻まれている光景がある。3歳くらいの女の子が、集会中にお仕置きを受けに何度か連れ出されるのだ。3歳では、何時間も静かに座っていられるはずがない。それなのに、「おしりぺんぺんやーよー‼」と言って泣き叫ぶ女の子を無理やり給湯室に連行。周囲の大人たちは、「かわいいわね」とニヤニヤ笑うのみ。

「子供たちはみんな心の中で泣いていました。私は『やめろ!』と声を上げそうになるのを必死でこらえていました」

この集会に、信者となって間もない人や信者になろうか検討中の人が見学に来ると、小さな子供でも静かに椅子に座り、長時間話を聞いている様子に感銘を受け、「うちの子もこんなお利口さんになってほしい」と思うケースが後を絶たないという。

しかし子供たちは、お仕置きが怖いから静かに従っているだけ。入信してすっかり染まってしまうと、自分の子供にも平気で道具を振るえるようになる親は少なくないようだ。

「今思えばただの虐待です。私は今でもお尻の右側にお仕置きによる傷があります。現在、組織はお仕置きを推奨していないらしく、過去のお仕置きは親が勝手にしたことだとシラを切っているようですが、過去をなかったことにしようとしているのだと思います」