DEXは、Uniswap以外にもいくつか存在していますが、Uniswapはその中でも特に分散的であり、その高い流動性から人気を誇っています。

ブロックチェーンは、誰もが使えて誰も支配しないパブリックな台帳を歴史上初めて実現しました。しかし、実際は多くの中央集権的な交換所がハッシュパワーとプライベートキーを支配しているのが現状です。中央集権的な交換所は法定通貨と暗号通貨を交換するのには不可欠なのですが、その存在は当初のビットコインの哲学とは反しています。そのなかで私が注目しているのがUniswapなのです。

経済の足かせだった「中間業者」は今後なくなる

インターネットは、そもそも個人をエンパワーメントさせる、“Power to the people”という世界を目指してきました。

ただ現状はGAFAMなど一部の企業がプラットフォーマーとしてサービスやデータをコントロールしています。

いまは、「結局は信用保証が必要だから」とプラットフォーマーが独占的な利益を得てしまっています。

CtoCマーケットプレイスのメルカリ、配車や宿泊ならばUberやAirbnb、仮想通貨交換業者などもプラットフォーマーとして大きな利益を稼ぎ出しています。

しかしよく考えれば、売りたい人と買いたい人がいて直接つながれるなら、中間のプラットフォーマーが必要あるのかという話です。直接つなぐことをトラストレス(信用不要)にできれば、中間はいらなくなります。つまり彼らが提供しているのは「トラスト」そのものともいえます。

「分散型ビジネス」が一般化する時代が来る

ビジネスサイドからみたインターネットの歴史は「中抜き」の歴史でした。今後はそれがさらに加速していきます。

生産者と買い手、アーティストとファンがよりダイレクトにつながれるようになってきます。

國光宏尚『メタバースとWeb3』(MdN)

強大すぎる力は暴走するリスクを保持します。分散型なDecentralized(非中央集権)のプロトコルは彼らからユーザーに力を戻します。多くのブロックチェーンプロジェクトが巨大プラットフォーマーからのdecentralizationを目指しています。

通貨だけでなく、通信もクラウドもコマース、メディア、マーケットプレイスも、ネット業界はこれまで既存産業をdisruptされることで事業拡大を続けてきました。今度はdecentralizedなプロトコル、サービスによってプラットフォーマー側がdisruptされる側に回る可能性が出てきているのです。

世界中のどこにいるユーザーでも、仲介者なしで暗号資産を取引することができるUniswapような、「分散型○○」という事業は今後さらに注目され一般化していくことでしょう。

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