海外に憧れホームステイや青年海外協力隊へ

早瀬さんは4歳ごろから英語教室に通っていたことから、「海外に行きたい」「住みたい」という気持ちが強くあった。そのため大学生になった早瀬さんは、これまでアルバイトでためたお金で、夏休みにアメリカへホームステイに行くことにしたのだ。

しかし、夏休み期間中だけのホームステイでは期間も短く、英語力の向上も十分に得られず、満足できなかった。大学を卒業すると、早瀬さんはIT企業に入社。プログラミングやパソコン講師の仕事をする。

それから約3年後、早瀬さんは社会人になってからためてきたお金を使い、6カ月間休職をして、イギリスに留学。このときは期間も十分で、ホストファミリーや学校関係者、同級生などと親しくなり、英語力も向上。満足のいく留学となった。

それからしばらくして、生花店を経営する男性と出会い、結婚を前提として交際をスタート。早瀬さんも生花店を手伝うが、激務な上、人のマイナス面ばかり指摘し、褒めるのが下手な男性は、時々早瀬さんの母親を彷彿とさせた。「このまま彼と一緒にいては自分がダメになる」と思った早瀬さんは5年ほどで婚約解消を申し出る。

その後、商社で派遣社員として働き始めると、グローバルに働いている人たちと出会う。その影響で、「自分を成長させたい」「ずっとやりたかったことをやろう!」と思った早瀬さんは、高校の頃、英語の教科書で知って以来、ずっと心の奥底で憧れ続けていた青年海外協力隊(JICA:独立行政法人国際協力機構)に思い切って応募。

「青年海外協力隊は、高校の英語の教科書に載っていて、『知らない国に行ってみたい』という好奇心と、『ちっぽけな自分でも役に立てるかも』と思い、憧れました。しかし、特に『専門』がなかった私は無理だと諦めていたのです」

3回不合格だったが、それでも諦めず、4回目に合格。早瀬さんは32歳になっていた。

派遣先が西アフリカにあるブルキナファソという国に決まると、両親に報告。母親からは、「親に甘えるのも親孝行だよ」と言われたが、承知してくれた。

写真=iStock.com/PeterHermesFurian
※写真はイメージです