まずはダイバーシティから
多くの日本企業が、まだまだ「昭和」の空気を引きずっているのが事実だと思います。
女性をはじめとした働く場におけるマイノリティの方々が、しっかり尊重されているか。
私はダイバーシティの進んだ外資系企業に長くいましたので、ここはしっかりフォーカスしなければいけないところだと考えていました。
女性の登用や管理職の女性比率を問う以前に、ハラスメントをはじめとした人権蹂躙的なことがまかり通っていたりはしないか、心配していました。それは絶対に許されないことです。その原点から、しっかり向き合わなければいけないと思っていました。
ですから、意識の改革と、いろんなアクティビティの呼びかけを行うのと同時に、数値目標を設定して、ドライブをかけていく必要があると考えていました。
ダイバーシティといえば、多くの場合、人事セクションが担当します。もちろん最終的には人事の領域になるわけですが、ダイバーシティは人事マターにしてはいけないと考えていました。
それは、人事の仕事になった瞬間、他人事になってしまうからです。「ああ、人事がやる仕事だよね」となってしまうのです。
人事にとってダイバーシティは自分事です。しかし、それ以外の人たちにとっては、自分事にはならなくなってしまう。やらなければならないのは、他人事だと思っている多くの社員を巻き込んでいくことです。