悪玉コレステロール(LDL)が多い人や体内にLDLを作りやすい体質の人は、血圧130以上の高コレステロール血症、動脈硬化になりやすいと言われています。焼肉に合わせてビールを飲むことがありますが、ビールは痛風の原因となるプリン体が含まれますので気をつけましょう。
焼肉に限らず、総じて今のグルメブーム、お酒類と食材のマリアージュは、幸せを呼びますが、体に悪いもののオンパレードです。とはいえ大好きなおいしいものを我慢するのはつらいものです。
知人医師は「毒を食べる日」を週1回、土曜日に作っているそうです。悪魔の3つの白い粉も、心臓を脅かすメニューも気にせずに思う存分食べる。留飲を下げて、あとは健康な食生活を過ごすのです。
普段は野菜中心に魚、豆腐でたんぱく質を摂る。牛乳、肉など動物性脂肪を控える。肉ならささ身にする。寿司を少しだけ食べる。
納豆、味噌など日本古来の伝統的な発酵食品で免疫を上げる。これなら何とか長続きできそう、名案と思いました。今の食生活を見直し、少しでも人それぞれのうまい落としどころを見つけられるといいですね。
「人は血管とともに老いる」痛んだ心臓・血管は元に戻らない
心筋梗塞予防は、医学の進歩によって、新しい薬や治療で対処可能となってきています。そこで、ますます「心臓の老化」がテーマになりつつあります。そして、心臓の老化は血管の老化から始まります。
アメリカの医師、ウイリアム・オスラーは「人は血管とともに老いる」という名言を残しています。まさしく、人は血管がすべてです。年をとると血管は硬くなります。いわゆる動脈硬化ですが、太い血管から微小血管という細い血管に至るまで、血管が硬くなると血液を臓器に送る働きが、柔軟に対応できなくなります。
特に食生活の乱れでコレステロールが付着して血管が狭くなっている人は、心臓などの臓器に血液が健全に行き渡らなくなり、臓器の機能に大きな影響を与えます。大動脈狭窄症、狭心症の人は特に怖いです。
血管や心臓を鍛えるのは困難です。硬くなった血管は元に戻りません。いったん心筋梗塞になって痛んだ心臓は生き返りません。油を注せば円滑になるという機械のようにはいかないのです。「なんとか今の状態をキープする」、すなわち「予防」が大切になります。
しかし人は予防に鈍感で、遠い未来のことを切迫して考えません。地球温暖化や財政赤字を身近な緊迫したものと感じないことと同じです。