自国の敗北を認めることができなかった

こうした強力な支援があったため、米国当局は戦争を正当化するために嘘をついたり作り話をしたりする必要はなかった。

にもかかわらず、ホワイトハウス、国防総省、国務省の指導者たちは、すぐに偽りの保証をしたり、戦場での失敗を隠したりしはじめた。歳月が経過するにつれて、隠蔽行為はより定着するようになっていった。軍司令官や外交官たちは、間違いを認め、公の場で明確かつ正直な評価をおこなうことが難しいと感じるようになった。

正義の名のもとに始まった戦争の戦況が悪化し、敗北しつつあることを、誰も認めたくなかった。ワシントンからカーブルまで、真実を隠蔽するための暗黙の陰謀が広まった。

怠慢はいやおうなく欺瞞へとつながり、最終的にはまったくばかげた結果を招くことになった。2003年と2014年に2度、米国政府は作戦の終了を宣言したが、それは現場の現実とは関係のない希望的観測が招いた出来事だった。

「本当は負けていた」当局者たちの本音

自分の発言は公表されないと思いこんでいたため、米国高官たちは率直に語り、アフガニスタン復興担当特別監察官(SIGAR)に対してこう告白している(※) 。戦争計画には致命的な欠陥があり、ワシントンはアフガニスタンを近代国家に作り変えようとして数十億ドルを浪費した、と。

※軍関係者、外交官、アフガニスタン当局者など、戦争にかかわった数百人を対象に行われたインタビュー「学ばれた教訓」。国が将来間違いを繰り返さないように、アフガニスタンにおける政策の失敗の原因をつきとめることを目的に実施された。

インタビューはまた、蔓延する汚職を抑制し、優秀なアフガニスタン軍と警察を構築し、アフガニスタンで盛んなアヘン取引に打撃を与えるという米国政府の試みが失敗に終わったことを明らかにした。

インタビューを受けた人々の多くが、国民を故意に欺くため、米国政府が明確かつ持続的に尽力したことを語った。

彼らが述べたところでは、カーブルの軍司令部――そしてホワイトハウス――の高官たちは、明らかにそうではなかったにもかかわらず、米国が戦争に勝っているように見せるために、日常的に統計を歪めていた。