会話の要所要所で「追いついている」感を出す

【成毛】前回の「自分の頭で考える方法」というテーマは、最終的にはふたりとも“自分の頭で考えずに受け売りをしろ”という結論になりましたね(笑)。ちなみに、ひろゆきさんがトークなどで意識していることはありますか?

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【ひろ】知っている知識があっても、話の流れを遮らないように、あえて触れないことはありますね。それやると「とにかく話したい人」になって嫌われたりするじゃないですか。

【成毛】具体的には?

【ひろ】例えば、以前、成毛さんが戦史について話していたときに「これってユウさんくらいしかわからない」って言ったじゃないですか。あのときに僕は、「あ、軍事評論家で東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠さんのことだろうな」と思ったんですよ。でも、その場には誰のことかわかっていない人もいたはずです。だからといって、あのタイミングで「それって小泉悠さんですよね、知ってます」とは言わないようにしているんです。

【成毛】なるほど。でも、多くの人は言いたくなりますよね。

【ひろ】それをあえて言わないようにしている。でも、「ちゃんとわかっていますよ」ということは、必要なときにだけ出すようにするんです。すると、「あ、この人はちゃんとわかっているんだな」と、多くの人は誤解してくれますから。

【成毛】誤解してもらうと(笑)。

【ひろ】要所要所で追いついている感を表現するだけで十分かなと思っています。

【成毛】そういえば「ユウさん」と言ったのは、小泉さんの名字をド忘れしちゃったからなんですよ(笑)。僕、名字を覚えるのが本当に苦手で……。何をやっている人かとか、過去にどこで会った人かは覚えているんですが、名字が全然覚えられないときがあるんですよ。

【ひろ】僕も名前は覚えられないですね。前回の話題で出てきたトマ・ピケティも、顔は浮かんでいるんですけど名前をド忘れしたので、成毛さんにバレないようにこっそりググってましたから(笑)。

【成毛】ひろゆきさんも僕と同じなんだ(笑)。

常に相手の発言の「逆張り」を意識する

【ひろ】成毛さんが会話で意識していることってありますか?

【成毛】誰かの発言に対して、とりあえず反論は考えています。そして、自分の反論が正しいか、またはその場のウケがいいかどうかを瞬時に評価しています。他人の発言をそのまま受け入れるのではなく、どんな会話でも必ず一回は逆を考えていますね。言うかどうかは別として。