「論破キャラ」はあくまで演じているだけ
【ひろ】あと、僕はよく「論破キャラ」っていわれてますが、それはエンタメのショーとして求められる役を演じている部分があるんです。当たり前ですけど日常生活で論破みたいなことはしませんよ(笑)。
【成毛】そりゃあそうですよね。友達がいなくなりますよ(笑)。でも、相手がアホだなと思ったら、それなりに地雷を埋めているんじゃないですか?
【ひろ】え、そう思います?
【成毛】最近のひろゆきさんを見ているとそう思いますね。そして、その地雷の埋め方がめちゃくちゃうまい。反論を引き出すんじゃなくて「つい、言っちゃうだろうな」というところに、そっと地雷を置いている。
【ひろ】でも、そういうのは話を引き出そうというのではなく、議論を見ている人にわかるように情報を出そうと思っているからなんですよ。
【成毛】というと?
会話の中に“地雷”を埋めて情報を引き出す
【ひろ】最近番組の収録であったのは、エネルギーの専門家が出てきて、「今後、原油が足りなくなって高くなる」という話をしていたんです。でも、一方でOPEC(石油輸出国機構)の原油って無限にあるという説もある。だから、僕は「原油が足りなくなるというデータってないですよね」って確認したんですよ。
【成毛】はいはい。
【ひろ】すると、その専門家は原油の埋蔵量はわからないとは言わなかった。その代わり、「サウジアラビアが原油以外でビジネスを伸ばそうとしているのは、原油の枯渇の可能性があるからだ」という話をしたんです。このときに僕が考えていたのは、その専門家を打ち負かすことではなく“この議論を視聴者がどう見るか”なんですよ。視聴者が「ああ、そうなんだ。原油はなくなるんだ」と思うのか「原油の枯渇というデータをこの人は出さなかったな」と見るか。僕は「専門家といえども原油がなくなるというデータって持ってないんだな」ということを視聴者に受け取ってもらえればいいと思って、それを引き出そうとしていたんです。
【成毛】なるほど。やっぱり、ひろゆきさんに論破されそうな場には出ちゃダメだな。この対談は平和に続けられて本当によかったですよ(笑)。