【ひろ】いわゆる逆張りってことなんですかね。
【成毛】そうでしょうね。例えば、「やっぱり東京都心だと、電車のほうがタクシーより早く移動できるよね」という発言を聞いたときには、「いや、タクシーのほうが早い」という事例を頭の中で4つくらい考えるんです。もちろん、それを言うかどうかは、そのときの雰囲気次第です。本当になんでも反論を考えているので、居酒屋さんで「この魚はおいしいね」と言われても、「その魚がおいしくない理由」をとりあえずは考えてしまう(笑)。
【ひろ】頭の体操にはなりますね。
【成毛】そうですね。で、実際に反論するかどうかは、相手の知性のレベルも見ています。会話のキャッチボールができそうか? みたいなことを評価しながらやっています。まあ、一種のディベートなんですよ。
【ひろ】確かに、ディベートっすね。ディベートは、あるテーマについて、異なる立場に分かれて議論をするわけで、例えば自分は死刑に賛成でも「反対派」のチームに入れられたら反対する理由を論理的に考えないといけない。
【成毛】そうですね。だから、僕も意地悪で反論を考えているわけではないんです。「確かに、この魚はうまい」と思っても、わざわざ反対を考えているんですから(笑)。
【ひろ】たぶん癖ですよね。
反論することで話を膨らませることができる
【成毛】そうですね。ひろゆきさんもそういう考え方をしますか?
【ひろ】僕はアマノジャクなので、そういう一面はあるかもです(笑)。でも、別に反発してやろうとかじゃなくて、反論することで話を膨らませることができるんじゃないかって思うからです。ある発言があって、そこにちょっとしたボールを投げると「こうだから、こうなんだよ」って、もっと詳しい説明が返ってくることもある。そっちのほうが楽しいし、自分にとっても役に立ったりするので。
【成毛】そうそう。しつこいようだけど、僕だってけんかしようとしているんじゃないんですよ。「そっちのほうが面白いじゃん」と思ってやっているだけですから。逆張りとはそういうことです。
【ひろ】でも、会話を広げて楽しくなるようにと思って反論するんですが、変なタイミングで言ってしまったせいで空気が悪くなることもけっこうあるんですよね。
【成毛】ははは(笑)。