40歳を過ぎたら代謝が落ちるというのがその一因かもしれませんが、これまで多くの方の基礎代謝を測って気づいたことがあります。20代でも40代の方より低いこともあれば、50代でも30代の方ほどの基礎代謝がある方もいます。

その違いは何でしょうか? 筋肉量が多いほど基礎代謝は高くなりがちで、動いている時間が多い人ほど1日の消費エネルギーは高くなります。

思い返してみてください。10代の頃、学校では階段を上ったり下ったりして教室まで向かい、初めて見る数式に対し頭をフル稼働して勉強をし、カラダをたくさん動かす体育の授業を受けたり、部活動をしたり。バス代や電車代がもったいないからといって少し手前で降りて歩いてみたり、自転車を使ったり。

でも年を重ねると、思いのほか自分でも気づかないうちに、若い頃と比べてそういった「活動量」が減りがちなのです。それを逆手にとって、あえて活動量を増やしたり、筋肉量を増やすことでその問題は解決します。

「40歳過ぎたらやせない」という思い込みを捨てよう

運動は面倒という方も心配無用。運動がかったるいのなら、食べ方に気をつけることで挽回できます。

10代の頃は「お金がないから食べるのをガマンしよう」としたこともあるでしょうし、会食も大人ほどありません。つまり、年を重ねてから、摂取エネルギーが知らないうちに増えている可能性が十分にあります。

岸村康代『続食べ 結果が出る食べ方がカンタンに続く方法』(かんき出版)

もちろん、年齢を重ねるごとにやせにくい体質になるという影響はありますが、そのカラダのメカニズムを理由にしすぎている傾向がある、それが1万人以上の方を見てきた私の結論です。

「食べたら動く」「動けない時は食べ過ぎない」を頭の片隅に置きつつ、食べ方の工夫をすることで、40歳以上になってからも10kgや20kgの減量だって可能なのです。ただし、10代や20代の頃よりも、工夫が必要にはなります。でも工夫さえすれば、たとえ40歳以上になっても、「ストレスなくできた!」と皆さん口をそろえて言ってくれるほど、工夫次第でストレスなく結果が出せるのです。

「40歳過ぎたらやせない」というのは思い込みだと信じて、だまされたと思って、ぜひ自分の辞書から一度、真剣に外してみてください。「50歳を過ぎようが、楽しくやせられる!」それくらいに思ってちょうどいいです。ぜひ諦めずにできることからチャレンジしてみてください。

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