美味しいものを食べたい、でも太りたくない。痩せたい……。二律背反な願望をどうにかする方法はないものか。近刊『医者が教える最強の解毒術』が話題の糖尿病専門医・牧田善二さんは「ほとんどの人が“糖質中毒”。糖質の過剰摂取だから太るのです。でもミートファーストを実践すれば、“太らない食事”は実現可能」と語る──。

本来の目的から外れた「人間にとっての食事」

私たちは毎日、朝昼晩と食事を摂ります。人間に限らず、すべての動物は何らかの形で捕食を行っています。

ただ、野生の動物の場合、それは生きるためのエネルギーを得る行為であり、必要以上には食べません。だから、百獣の王といわれるライオンでも、太った個体はいません。

一方、人間にとって食事は、本来の目的を外れ楽しみの要素が大きくなっており、「美味しいものを食べているときが一番幸せ」という人もたくさんいます。そのため、満腹でも食べてしまうということが起きます。

とくに、肥満の原因である糖質は過剰摂取に陥りやすく、「デザートは別腹」「シメの麺類は欠かせない」というのは、その典型例です。

チキンやアボカド、新鮮で彩り豊かな野菜が入ったサラダ
写真=iStock.com/YelenaYemchuk
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「太りたくはないけれど食べたい」…

地球上には飢餓に苦しむ人々もいる反面、多くの国や地域で肥満が激増しており、日本も例外ではありません。

肥満は、外見が冴えないというだけでなく、あらゆる病気の原因となります。健康診断でメタボを厳しく指摘されるのは、肥満を放置していれば命を脅かす病気にかかりやすくなるからです。

もっとも、情報が行き届いた現代社会では、多くの人が肥満の害を知っています。それにもかかわらず、「メガ盛り」などと表現される健康度外視の食べ物も増えています。

「太りたくはないけれど食べたい」は、現代人に共通の願いといっていいでしょう。