ショートカットキーを必死に覚えるのは「ムダ」
ショートカットキーは、パソコン操作を簡単に行うための機能です。これを活用すれば、マウスで操作するより1~2ほど工程をカットできるので、効率よく仕事を行うことができます。読者の方も、コピー(Ctrl+C)や、貼り付け(Ctrl+V)のショートカットキーは、よく使っているのではないでしょうか。
しかし、ショートカットキーを覚えることも「手段」です。
たとえば、本稿執筆にはWordを使っていますが、実に200種以上のショートカットがあります。Outlookには約150、PowerPointには約140ものショートカットがあります。
使わなくていい機能も多々あるので、全部を覚えようとするのは時間の浪費以外のなにものでもありません。
「ショートカットキーを覚えて、年間30時間の作業を減らした」といった趣旨のWeb記事をよく目にしますが、それは書いた人の個人的な実績であって、誰もが同じように効果が得られるものかは定かではありません。
ショートカットキーも、あくまで「手段」として活用するべきものであって、習得が目的になっては本末転倒です。自分の作業に役立ちそうなショートカットキーに絞り込み、いくつか試したうえで、効果があったもののみ継続して活用することが大事です。
ショートカットキーより辞書登録機能を
私たちが4万5494人を対象に行った行動実験では、ショートカットキーを数多く覚えるより、辞書登録機能を使いこなしたほうが時短につながることが明らかになりました。
日本語の場合は、「ひらがな入力→漢字変換」という工程があるため、変換プロセスがスムーズになるだけでかなりの効果を得られます。
Windowsのパソコンであれば、指定した文字をコピーし、IMEの辞書登録に読み仮名を入れて登録。スマートフォンなら、設定で「ユーザー辞書」を開き、そこに「漢字」と「よみ」を登録します。これだけで、いくつかのステップを1つに縮小できます。
変換されにくい漢字や、忘れてしまいがちな情報を辞書登録するのを習慣にすれば、ショートカットキーを必死に覚えるよりも高い時短効果が得られます。