運動を継続するには「目標」が必要

読者の中には、若い頃は運動していたという人も多いと思います。ところが、仕事などで忙しくなると、運動しなくなるものです。

僕の50歳代の知り合いで、学生の頃は部活をやっていたが、大学を卒業してから、まったく運動していない、という男性がいました。こういう人はあんがい多いのではないかと思います。

もちろん、本人も何か機会があれば、運動を始めたいと思っているようです。でもなかなかきっかけがつかめません。そんな人は、目標を持つとやり始めるものです。

筋肉運動で若返りホルモンが出る

僕の目標は、80歳、90歳になっても、映画を観に行ったり、旅行に行ったりすることです。運動を始めるにあたっては、遠い将来の目標です。まず運動を始めようという人には、もうちょっと近い将来の目標が必要かもしれません。

鎌田實『疲れない 太らない ボケない 60代からの鎌田式ズボラ筋トレ』(エクスナレッジ)

体重が増えてメタボぎみで、血圧や血糖値が高くなっている人は、運動するとこれらの数値が下がってくるので、これを目標にしてもよいでしょう。たとえば、スクワット(ワイド・スクワットやスロー・スクワット)は高血糖の改善にとてもよい運動です。

そのメカニズムも明らかになっています。筋肉運動をすると、マイオカインという若返りホルモンが出て、血糖値やヘモグロビンA1cなど糖尿病の数値が下がることがわかっています。

また、メタボが改善すればお腹まわりもすっきりして、見た目もよくなります。体が引き締まってかっこよく見えるようになります。

ダイヤゴナル・エクササイズ(手足の2点支え)やブリッジは、女性がやるとお尻の脂肪が減って筋肉が少し増えて美尻になります。腹筋や背筋も鍛えられるので、背中が丸くなるのも予防できるでしょう。