アメリカの「停戦を求める」とは、ロシアに「撤退しろ」ということ

4月25日、ロシアのウクライナ侵攻を受けた米国の目標について、アメリカのオースティン国防長官は「ロシアが、ウクライナ侵攻のようなことをできない程度に弱体化することを望む」と述べました。ショルツ発言から3週間後の5月8日のG7首脳会談で採択された共同声明では「われわれは、プーチン大統領がウクライナに対する戦争で勝利することがあってはならないという決意で一致している」という方針が文書化されました。

西側諸国がこれらの要求をする以上、停戦を実現することは限りなく難しいです。

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5月13日の米ロ国防省の会談でオースティン長官はロシアのショイグ国防相に対し、「即時停戦を求めた」としていますが、同日開かれたアメリカ国防総省高官によるブリーフィングでは、記者の質問に対して次のよう答えています。

記者】つい最近、1、2週間前、オースティン長官はウクライナの勝利を助け、ロシアの弱体化を望んでいると話していました。オースティン長官はその考えを変えたのでしょうか? また、以前にも停戦を呼びかけたことがあるのでしょうか? 私はオースティン長官が過去に停戦を要求したことを覚えていません。

国防総省高官】はい。バイデン政権は一貫して戦闘を停止することを望んでいます。何度もそう言ってきました。実際、オースティン長官自身、戦争は今日にでも終わると言っています。しかし、それはロシアが攻勢をやめて撤退を始めれば、その日のうちに終わる可能性があるという意味です。

だから、オースティン長官の見解に変化はない。政権の方針も変わっていません。私たちの政策に変更はありません。目標に変更はない。その点では非常に一貫しています。

アメリカのいう「即時停戦」の意味は、「ロシアが撤退すること」であり、西側諸国が掲げる「プーチン大統領が勝利しない」「ロシアが、ウクライナ侵攻のようなことをできない程度に弱体化する」という目標に変更はないのです。