「自分から話さない」はメリットだらけ

コミュニケーションで自律神経を乱さないために有効な方法の一つとして、「自分から会話の口火を切らない」ことをおすすめしています。

これは私が実体験から学んだことです。昔の私は非常に早口でおしゃべりな人間でした。そのせいで口を滑らせて余計なことを口走っては、あとで自己嫌悪に陥る、というループに陥っていたのです。

写真=iStock.com/SetsukoN
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そんな繰り返しを経て思いついたのが、「自分からは話さない」というルールを決めることです。もちろん、ただ感じ悪く黙り込むのではなく、質問をされたときにはきちんと答えます。けれども、自分から「何かを言ってやろう」というアクションは起こさない。

この基本ルールを決めただけで、驚くほど失言が減りました。落ち込むことも減ったため、自律神経のバランスが乱れることもなくなりました。

かつての自分を振り返ってみると、「自分からたくさん話す」ことで、私は自分の存在をアピールしようと無意識のうちに躍起になっていたのでしょう。ちょっとした沈黙に耐えられなかったのも、自信のなさの表れだったように思えます。

うっかり失言するパターンが多い人は、ぜひ実践してみてください。「余計なことは話さない」と決めるだけでも、会話に穏やかな空気感が漂うはずです。

もう一つ、自分から話さないことのメリットは、相手が勝手にこちらの事情を想像してくれる点です。「そうですね」と一言シンプルに返すだけで、相手は自分のいいように解釈をし、言葉を重ねてきます。

すると、こちらは状況を的確につかめるようになります。自分から話し出さないことは、余計な波風を立てないために非常に有効なコミュニケーション術です。

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