休日出勤の割増賃金が2種類あるワケ

この違いは、休日出勤した日が「法定休日」なのか「法定外休日」なのかによって起こります。法定休日とは、その日に労働者を働かせると法律違反になってしまう休日のことです。

労働基準法では、原則として、労働時間の限度を「1週40時間以内」かつ「1日8時間以内」とし、「1週に1日以上の休日」または「4週の間に4日以上の休日」を与えるものとしています。これらに違反すると、使用者に対して6カ月以下の懲役または30万円以下の罰が課せられます。

つまり、週1回の休日もしくは4週4回の休日のことを法定休日といいます。ちなみに、法定休日に休日労働を行うには使用者と労働者の間で「36協定」を締結する必要があります。

法定休日の出勤は賃金が35%割増

何曜日を法定休日とするかについては、法律による決まりはなく、就業規則等で定められていればそれに従います。就業規則に定めがなく、土日を休日とする会社の場合、土日いずれかに休日出勤をすれば、出勤しなかった休日が法定休日となります。

土日いずれも出勤していれば、暦週(日曜から土曜まで)のうちで最も後順に位置する土曜が法定休日となります(※)。ただし、1週間の始期について就業規則等に定めがあればそれに従います。

(※)「改正労働基準法に係る質疑応答」のQ10・A10

法定休日に出勤をした場合、35%以上の割増賃金を労働者に払うことが、労働基準法に定められています。もし、その日に8時間を超えて働いても時間外手当は付かず、35%の割増賃金としてカウントされるのみです。ただし、深夜帯(原則午後10時~午前5時)に働いた場合は、深夜労働割増25%がプラスされます。

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たとえば、法定休日に時間当たり賃金1500円で8時間働き、そのうち1時間が深夜帯だったとすれば、(1500円×1.35×7時間)+(1500円×1.60×1時間)=1万6575円が1日の賃金となります。