自分は空っぽになり、部下の能動性を引き出す
昔から、優れた人物のことを大器と呼んだりする。それは、部下の能動性を引き出すために、自分は空っぽの器になっているリーダーのことを指している。
グイグイ引っ張るリーダー、部下からついていきたいと思われるリーダーは、器というより、槍。そうしたリーダーもアリはアリだが、どうしたわけか部下が育たないようだ。部下はリーダーについていくだけの受動的な存在になってしまうからだろう。
新人を育てたいなら、むしろ与えることを意識するより、部下から与えられる機会を増やすこと。新人に空虚を満たしてもらうこと。そのためには、新人の工夫、努力、苦労に驚き、面白がること。たとえ新人の言うことが見当違いのものであっても、能動的に工夫しようとしたものであれば、その能動性に驚き、面白がること。見当違いの部分は、スモールステップで少しずつ修正をしていけばよいだけのこと。
こうして基本的な技能を身につけつつ、能動性が育まれた新人指導ができたなら、会社にとって重要な人材に育ってくれるように思う。