臓器によってがんの見つけやすさは変わる
がんは、ある程度大きくならないと見つけられません。
がん細胞は分裂を繰り返して次第に大きくなっていきます。1000個で0.2ミリ、100万個で2ミリ。
1センチにもなれば、臓器や医師の技術によりますが、画像診断でがんを見つけられるようになり、このサイズで見つけられたら幸運です。このときの細胞の数は約10億個。1センチになるまでにかかる時間は10年か、15年か、20年か。はっきりしたことは言えません。
なんら手を打たない場合、1センチから命を落とすまでは5年ぐらいでしょうか。
がんがある程度の大きさにならないと見つけるのは難しいのですが、臓器によってもがんの発見の難易度は変わります。
がんができたとき、最も見つけにくいのが膵臓です。
見つけにくいうえに症状があらわれにくいすい臓がん
「がんは治療ができる」「がんは治る」といわれる一方、治療が難しく再発しやすいがんもあります。こうしたがんを「難治がん」といい、膵臓がんは難治がんのひとつに数えられています。
理由は膵臓の位置する場所。
膵臓はお腹の奥のほうにあります。胃袋の後ろにあり、十二指腸に囲まれているうえ、一部が脾臓に接しています。ほかの臓器や血管に取り囲まれているため、なかなかその状態を確認できないのです。
また、がんになっても症状があらわれにくいので、ますます発見が遅れます。
膵臓がんの症状としては、お腹が張る、食欲が落ちる、腹痛・腰痛のほか、糖尿病を発症することもありますが、こうした症状があらわれたときにはがんはかなり進行して大きくなっています。仮に小さくても、膵臓の周囲にある動脈にまでがんが広がっていると手術はできません。
超音波検査で調べようにも、胃や十二指腸のなかの空気やお腹の脂肪がじゃまをしてなかなか様子がわかりません。
臓器が位置する場所といい、症状のあらわれ方といい、進行の早さといい、これでもかというほど悪条件が揃っています。おまけに予後も悪いのです。
よほど悪くならないと症状が出ない肝臓のことを「沈黙の臓器」といいますが、膵臓は「暗黒の臓器」と恐れられています。
しかし、そんな膵臓がんにも、今ひとつの光明が見えてきました。
膵臓がんの早期発見の突破口を開くのは「午後の紅茶 ミルクティー」です。
「なんのこっちゃ?」と思いますよね。
私も初めて聞いたときは、「そんなアホな」と、にわかには信じられませんでした。