別れ際に使えば気持ちのいい言葉だが…
しかし、「お疲れさま」自体は悪い言葉ではありません。職場で先に帰るとき、リモート会議を終わるとき、「お疲れさまでした!」と言うのは、気持ちのいいねぎらいの言葉です。
問題なのは、「挨拶」のひとつとして、「メールの頭は、『お疲れさまです』で始めればいいや」「職場に行ったら、とりあえず『お疲れさまです!』と言えばいい」と決めてしまうこと。相手が疲れているかどうか分からないシチュエーションで、「お疲れ」と言うことに違和感を覚える人がいることを覚えておきたいものです。
それでは、「お疲れさまです」に代わる挨拶には、どんなものがあるでしょう。
これを知るには、「ビジネスマナー」関連の書籍で文章の書き方に関するページを参考にするといいでしょう。
「お疲れ」な社会に配慮して語彙を増やそう
この手の本には、
・平素は、大変お世話になっております。
・いつもお心遣いを頂き、誠にありがとうございます。
・突然のご連絡、失礼いたします。
・何度も申し訳ございません。
・長らくご無沙汰しております。
など、少し硬めの言葉がたくさん出てきます。これをもっとカジュアルにして、「お世話になっています」「いつもありがとう」「突然、失礼します」「何度もすみません」「ご無沙汰しています」などと崩していく。普段は「お疲れさまです」で済ませていた挨拶の語彙が増えれば、その時々の相手との関係に即した言葉が出てくるようになります。
「お疲れさま」は、決して悪い言葉ではありません。しかし、パンデミックなどにより社会全体が疲れていること、なんでも「お疲れさま」と言う人が増えて食傷気味であることを踏まえて、「挨拶」の言葉を増やしておきたいもの。私も、学生たちに疎んじられないようにボキャブラリーを増やします。ほんと、お疲れさまな世の中です。