冷蔵・冷凍が切り替え可能
高さは1mちょっと(約1.11m)、幅50cm弱(約46cm)という、片開きのコンパクトでスタイリッシュな冷凍庫で、21年3月に販売を開始。おうち時間の増加に伴う“2代目”の冷凍庫(冷蔵庫)需要の高まりを受け、着実に販売台数を伸ばしているといいます。
実はこの冷凍庫に、日立GLSならではの、ユニークな機能が備わっているのです。
それが、「ぴったりセレクト」。19年2月、先行して大容量の冷蔵庫(R-KX57Kほか)に搭載された機能で、利用シーンに合わせて「冷蔵」「冷凍」を簡単に切り替えられ、それぞれの冷却レベルをさらに「強め」「標準」「弱め」の3段階に設定できます。
「コロナ以前から、消費者のライフスタイルの多様化を実感していました。そんななか、メーカーとしてなにが提供できるのか、との視点で発想したシステムです」と話すのは、同・国内商品企画部の小川真申さん。
微妙なさじ加減を何度もシミュレーション
私が消費者にインタビューしても、増え続ける共働き世帯(子あり)ではとくに、お弁当や「時差食(家族が時間差で食事をとる)」などに冷食を利用する家庭が多く、以前から「冷蔵庫の冷凍スペースを広げて欲しい」とのニーズが高い傾向にありました。
一方、健康志向もあるせいか「一般的にシニア世帯では、野菜(室)の購入量が多くなるようです」と小川さん。
つまり同じ家庭でも、出産や加齢などによる「ライフステージ」の変化によって、冷蔵庫や冷凍庫の利用ニーズが変わることは十分考えられます。使い手が、冷やす温度帯を「選べる(切り替えられる)」機能があれば、確かに便利でしょう。
もっとも、言うは易く行なうは難し。実現に当たっては、冷凍と冷蔵で風の出口を分けたり、野菜など乾燥しやすい食材に直接強い冷気が当たらないよう、風量を微妙にコントロールしたりといった“さじ加減”を、何度も何度もシミュレーションしながら数値解析し続けたといいます。