ズワイガニとベニズワイガニの違い

いっぽう、ズワイガニとよく似たカニにベニズワイガニがいる。ベニズワイガニは、同じ海域でズワイガニよりも深い水深400〜2700mの深海底に棲息し、両者は棲み分けている。しかし、両者の棲息深度は一部重なっていることから、時折、ズワイガニとベニズワイガニの雑種が認められる。

矢野勲『エビはすごい カニもすごい』(中公新書)

ベニズワイガニとズワイガニの見分け方だが、ベニズワイガニは甲羅の後縁部の傾斜が、ズワイガニよりも急である。また、生きたベニズワイガニは全身が朱色であるのに対し、茹でる前の生きたズワイガニは甲羅が淡褐色を呈していることから一見して区別できる。もし、ズワイガニがすでに茹でられた後であれば甲羅は朱色に変わっているが、そのときは腹側を見ればよい。ズワイガニは茹でた後でも腹側は白いままである。

また、ベニズワイガニはズワイガニに比べて殻が軟らかく体の水分も多いが、この理由は水圧が極めて高い水深400〜2700mの深海域の厳しい環境に適応したためと考えられている。

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