実社会を意識、「使える英語」を求める問題に

変化が顕著に表れたのが、共通テストの英語だ。日本では小学5年生から英語に触れ、中高の6年間、さらには大学まで多くの時間を使って英語を学ぶ。ところが、それだけ多くの時間を費やしているにもかかわらず、外国人と英語でコミュニケーションをとったり、英文でメールを打ったりするのにもひと苦労するなど、実用的な英語力の乏しさが問題視されていた。

それでも、これまではなんとかやり過ごすことができたが、急速に進むグローバル化に英語力は必須になっている。共通テストには、こうした時代背景を意識した問題が多く出題された。スマートフォンによるメールのやりとりや、ファンクラブの案内やレビューサイト、ブログなど、日常生活に関連した英語素材が多く使われていたのだ。

また、いくつかの情報や資料を比較したり、俯瞰してみたりして考えさせる問題や、事実と意見を区別して内容に合う記述を選んだりする問題も出された。事実と意見を区別することを「ファクト or オピニオン」と言うが、アメリカなどでは中学生くらいからかなり徹底して学習している。インターネットやスマートフォンの普及で、さまざまな情報があふれている昨今、正しい情報とそうでない情報を見極めることは非常に大切なスキルだ。その訓練に必要なのが、事実と意見を自分で区別できるようにすること。共通テストでその要素を取り入れたということは、グローバル社会に対応できる人を育成していきたいという狙いがある。

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「思考力」「判断力」「表現力」を測る問題が強化された

英語に限らず、共通テスト全体に言えることは、複数の素材から情報を読み取る問題が多かったことだ。情報は文章だけでなく、グラフや表、写真なども使われており、センター試験と比べて各教科の問題のページ数が大幅に増えている。問題文が長くなると難しくなったという印象を受けるが、極端に難しい知識を問う問題は出ない。

その代わり、その場で文章を素早く読み取り、グラフなどの資料と照らし合わせながら考え、判断し、答えを導く力が求められた。「思考力」「判断力」「表現力」を測る問題だ。「知識や情報を活用して考える力」は文科省が新学習指導要領で提唱しているもので、学校で学ぶことと大学入試の内容を合致させようとする意図が見てとれる。これは今までなかった変化だ。