歴史上の人物の「別の顔・裏の顔」を考察するのが好き

当時から一貫して、歴史に興味を持っていたのですが、なかでも私を引き付けたのは、その当時の人たちが悩んでいたことと考えていたこと、どのような生活を送っていたかという部分だったように思います。

山崎怜奈『歴史のじかん』(幻冬舎)

人は1回の人生しか歩めないので、幼少期から俳優になりたいと思っていました。俳優になったらいろいろな人生を追体験できると思ったんです。私が人物に興味を持つようになったのは、そういった部分も関係しているかもしれません。

歴史好きといってもいくさが好きな方やお城が好きな方、甲冑かっちゅうが好きな方と、さまざまだと思うんですが、私の場合は人物好き。

歴史好きが高じて、今年『歴史のじかん』という本を出させていただきましたが、「徳川家康はどっしり構えたメンタルが強い人という印象だけれど、実は幼少期に苦労をしたから、ひねくれている部分が政策からも見て取れるのではないか」といった歴史上の人物の別の顔、裏の顔について専門家の方と話したり、考察したりしています。

中高生時代は歴史の教科書をもう1冊買って、2冊持っていました。1冊は書き込み用で、人物の系図や趣味、人となりなどを書き込んでいました。

歴史は実在する生きた人たちの記録なのに、教科書にはそうした視点が抜けているのはさみしいなと思うようになったんです。

気になった人物については、伝記漫画・評伝、小説などいろいろな角度から掘り下げます。歴史漫画や伝記漫画であっても、出版社によって人物の描き方が違うので、読み比べて本当はどんな人だったのかなと想像してみるのも楽しいです。

今では移動中にKindleで本を読むことが多いですが、書き込み癖や調べ癖は変わっていません。

現在はラジオ番組のパーソナリティーを務めていて、ゲストに作家さんや大学教授の方が来てくださいます。専門家の方がいらっしゃる際には、事前の学習に気を抜けません。専門的な情報を理解するための知識も、うまくリスナーさんに伝えるための言葉も、土台をつくってくれたのは幼少期からの読書体験です。

あのころに、本に浸る時間がたっぷりあったことが、今の私の大事な部分を形づくっていると思います。