乃木坂46 山崎怜奈流① 視野が広がる本の読み方

数珠つなぎ読みで多面的に促える

数珠つなぎのように、関連本や類似本を読んで知識を深めていくのが好きです。

小学生のころ『週刊そーなんだ!』というディアゴスティーニ・ジャパンから出版されている科学系の週刊分冊百科が好きでした。その本を読んで「宇宙」に興味を持ったら、図鑑を読んだり、宇宙に関する書籍を読んだりしてみるんです。次に宇宙飛行士に興味を持ったら、宇宙飛行士の伝記や宇宙研究の歴史のような本を読んでみてもいい。

気になる本をリレーするようにつないで読み進めていくと、一気に知識が深まります。自分が“気になる”という熱意のある状態で読んでいけるし、関連知識が頭に残っているから、少し難しめの本でもチャレンジできます。

数珠つなぎに本を読んでいくと、ときおり、かなり難しい本に出くわすこともあります。そうしたときは、少し簡単な本に数珠つなぎで戻るか、こだわらずに“ここまで来られたな”という気持ちとともに方向転換しちゃいます。

難しくて読めなかった本は読書好きの父にあげていました。父に代わりに読んでもらって、読み終わったら「どうだった?」って内容だけ聞いて知識を吸収するというやり方でした。

数珠つなぎ読みで一番追究したのが、日本の歴史に関する本です。小学生のころから「マンガ日本の歴史シリーズ」や伝記漫画も各社読んでいたんですけど、出版社ごとに出来事や人物の描き方が違っていて、そこがまた面白いんです。

撮影=干川修

特に漫画によって見え方が大きく違うのは、徳川慶喜と明智光秀です。

徳川慶喜は徳川幕府を守ろうとした守旧派として描かれているものもあれば、大規模な内戦を回避して江戸幕府の幕を上手に引いた人物として描かれているものもあります。

明智光秀も、以前は怨恨えんこんや出世欲から主君に謀反を起こした自分本意な人物という評価の本が多かったのですが、最近は彼を取り巻くさまざまな状況の中で、致し方なく動いたという解釈の本が増えている印象です。

どちらの解釈が正解というのではなく、どちらの視点からも人物像を掘り下げていけるからこそ楽しいんです。今思うと、一方の面から見て物事を決めつけずに、多面的に見て判断することが重要だということをいろいろな本を読むことによって学んでいたんだと思います。

関連本を読み進めると、知識で頭がパンパンの状態になります。そんなときにはほかの人に話すと、整理されたり、定着したり、理解があやふやな部分がわかったりすると思います。

わが家の場合、幼少期に父とお風呂に入っているときに「その本読んでみてどうだった?」とか「何が面白かった?」とよく聞かれたのですが、答えていくと内容がすごく頭に残るんですよ。知識を入れるだけではなくて、出す場所をつくってあげることも大切かなと思います。