人生の目標が見つからない人はどうするか

実は私には長年続けている習慣がある。それは1日1回、最低2分間、自分の将来について真剣に考えることだ。どのようなことでもいいし、すぐ先のことでも遠い将来のことでもいい。ある日には来週、また別の日には来年、10年後にやっておきたいことを思い浮かべて、それらを実現する方法をシミュレーションするのだ。

始めたのは20代の頃だ。ある人が別の人に「1日に1回、自分の将来を考えろ」と言うのを、たまたま耳にしたのだ。以来、1日も休まずに続けている。どんなに仕事が大変な日も、長期の旅行をしているときも、何といったって女房の宇宙旅行の日も。変化したことといえば、50代になって半身浴を始めてからは場所が風呂場に定まったことくらいだ。

半身浴用の風呂桶に入れる椅子に座って2分間。考え終わったらその場で本を読むのも日課だ。時には読書をせずにそのまま30分間、考え続けることもある。最近よく考えるのはあと3年で定年退職してからのことだ。

日常の中で立ち止まる時間をつくって先のことを考える。そのちょっとした習慣に、充実した人生を生きることができるか、それとも流されて終わるかがかかっている。そして、真の意味でリッチな人生を送るには、まずは目標を見つけることだ。これは間違いなく必要だし、真実だ。

多くの人は言われるまで気づかないが、どんなささやかな目標でも、ほとんどの人は実現できていない。そもそも毎日考えたって、すべてがうまくいくわけではない。それなのに何も考えていなかったら最悪だ。しかも考えていれば軌道修正もできるが、考えていなかったらそれさえできない。