普通の管理職は75%が「自分のほうが優れている」と考えている

一方、一般の管理職は、「メンバーにはかなわないと思っていますか」という質問に対して「いいえ」と答える人が75%でした。確かに能力としては上回っている部分もありますが、そういったそぶりや言動をすれば、現場のメンバーが遠ざかっていくことは容易に想像できます。

メンバーとフラットな関係を構築することを目指す5%リーダーは、能力の優劣という基準を持ちません。メンバーにも自分にも得手不得手があるという前提で、役割分担しながら同じ方向に向けて切磋琢磨していこうとしています。

これこそが、トップ5%リーダーが目指す「共感・共創」の関係です。

【習慣④】65%が「思い切った決断をしない」

管理職になれば、現場のメンバーとは異なり、多くのことを決めなければなりません。人員配置や予算管理、他部門との連携や根回し、経営陣への説明など、次々に決定していかないと物事が前に進みません。

5%リーダーは確実に意思決定をします。

実現可能性や投資効果、インパクトや重要性など、複数の評価軸を複合的に組み合わせ、ブレない信念を持って決断します。調査で集めた8000時間におよぶオンライン会議の録画記録を見ると、一般の管理職と5%リーダーの違いは顕著でした。条件は異なるものの、5%リーダーの決定数は約25%多かったのです。しかも、さまざまな案件に対して即座に意思決定をしていきます。

たとえば、同一のクライアント企業で同じ職責の管理職で、同じ案件の意思決定のスピードを測ったところ、5%リーダーは他の管理職に比べて意識決定スピードが約1.3倍速いことがわかりました。1.3倍は誤差のように思えるかもしれませんが、積み重なれば現場の待ち時間が少なくなり、効率が高まります。