職場での信頼を勝ち取るには、ちょっとした言葉にも気をつける必要がある。人事コンサルタントの大橋高広さんは「ダメ上司が使いがちな口癖は7つのパターンに分けられる。たとえば『結論から言って』と部下の話を遮るような上司は最悪だ」という――。
ダメ出しをする際の感じが悪い上司
写真=iStock.com/Tero Vesalainen
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「で、結論は何なの?」と部下の話を遮る

① 効率重視の合理的すぎる上司の口癖
「対案を出せ」「結論から言って」

効率重視の上司が、ついつい言ってしまう口癖がこちらです。仕事ができる上司は、時間を大切にします。そのため、非効率なコミュニケーションを敬遠します。だからこそ、部下が少しでも不満を言おうものなら、「それなら対案はあるのか」「建設的ではない議論をするのは時間の無駄」と突き放してしまいます。

また、部下が、考えがまとまっていないまま相談に来た時に、とりとめのない話をしていると、「で、結論は何なの?」と部下の話を遮ってしまいます。このようなことをしていると、部下は次第に上司に相談できなくなっていきます。

② なぜか絶対に一度しか教えたくない上司の口癖
「何度も言わせるな」「何回言ったらわかるんだ」「もういいよ」

私がこれまでにお伺いしてきた職場では、人材育成について、「一度聞いたことは必ずマスターするべき」という信念をお持ちの上司が多くいました。

こういった上司は、部下に対して一度は指導します。しかし、同じことを二度三度聞いてくる部下がいようものなら、「何度も言わせるな」「メモをとっていないからだ」と部下にすごみます。それで怒られた部下は、次から半ばおびえながらメモをとるようになります。しかし、怖いという気持ちのせいか、また同じミスをしてしまいがちです。そして、「もういいよ」と怒られるハメになります。

自分で考えさせることは一見よさそうだが…

後で怒るくせに指示の出し方が悪い上司の口癖
「自分で考えて」「なんでも良いから早くやって」

現代の職場では、上司の果たすべき役割は増えていて、上司は業務過多に陥っています。そのため、上司も時間や気持ちの余裕はありません。だからこそ、人材育成も兼ねて、部下に自分で考えて行動することを促します。

部下に自分で考えて仕事をさせることは、一見良いように思えます。しかし、私が見てきた事例では、この口癖を言う上司に限って、部下が自分で考えてやったことを「違う」と怒る傾向があります。

上司の常識と部下の常識が一致しているとは限りません。そのため、きちんと指示を出さなければ、上司の思い通りの仕上がりになることはほとんどありません。どんなに忙しくても、この認識のギャップを埋めることが、上司の仕事であることを忘れてはいけません。