5%リーダーはメンバーの感情に寄り添う

withコロナで心理的安全性(好きなことを話しても安全であるという心理状態)を確保することが重要だと理解した管理職は多かったでしょう。

withコロナになってからテレワークが本格的に開始され、5%リーダーは真っ先に感情共有の仕組みを整え、メンバーの感情に寄り添っていました。

会議を減らして会話を増やし、1対1の対話の時間も増やしました。チームミーティングの開始直後は、仕事から離れて無邪気に雑談をしていました。

時にメンバーが不合理な不平不満を言うこともあるでしょう。自分ではコントロールできないことに対して愚痴を言い続けるメンバーもいるでしょう。愚痴の大半は解決しようのないことです。しかし、メンバーのその感情が生み出されたメカニズムを、リーダーが理解しようとすることは大切です。

メンバーは、一生懸命頑張ったけれども結果に至らないのは自分のせいだと自責することもあるでしょう。うまくいったのはほかの人のおかげなのに、自分の手柄にしようとすることもあるでしょう。失敗を他責にすることもあるでしょう。

5%リーダーは、そうしたメンバーの感情に寄り添いながら、問題の発生メカニズムを一緒に考えていこうとしています。そうすることで、不平不満・愚痴が論理思考へと転化し、ネガティブなサイクルから抜け出そうとしていたのです。

「自走式のチーム」を作る極意

解決策を伝えても、相手に受け入れる準備が整っていなければ、何も伝わりません。

まずは対話を重ねて信頼関係を構築し、どんなフィードバックでも受け入れてもらえるような関係を作ります。一方的に伝えてしまうと、メンバーは自分で考えずに「ただ言われた通りにやる人材」になってしまいます。

越川慎司『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
越川慎司『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

自分たちで考え、変化にしなやかに対応する必要がある今の時代は、自主的に行動するメンバーを育てないといけません。リーダーは一緒に考えて一緒に行動をするという協力体制を構築していく必要があります。

その協力体制に必要なのが、共感から始まる信頼関係です。

一見遠回りのようですが、チーム目標に向かいベクトルを1つにして、失敗しても他責にするようなネガティブな行動を抑え、内省しながら行動を変容させていく……。

5%リーダーは、このようにして成果を出し続ける健全なチームを作っていたのです。

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