広告の目的は“利益”を生み出すこと

広告の目的は目立つことではない。利益を生み出すことだ。目立たないプロモーションが一番利益を生む。スキルの低いマーケッターは、目立つプロモーションをやりたがる。なぜならテレビCMなどを指して、「あれは自分がやった」と言いたいからだ。広告代理店は目立つプロモーションをどんどん提案してくる。一時的な売上を上げることしか考えていないからだ。本当にスキルのある人は、目立たないプロモーションで利益を上げることを考えている。

知名度がなくても実力があれば売れる

今から30年くらい前、学生援護会の『DODA(デューダ)』のテレビCMが大ヒットし、「転職する」=「デューダする」と言われた。『DODA』は転職情報誌の代名詞だった。

木下勝寿『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』(ダイヤモンド社)

しかし実は、『DODA』よりリクルートの転職情報誌『ビーイング』のほうが売上(求人広告掲載費売上)は高かった。当時は『ビーイング』のほうが営業力でまさっていた。その経験から「知名度がなくても実力があれば売れる」と感じている。当社は知名度には無頓着だ。お客様は「本物」を見抜く目を持っている。「知名度がないのに売れている」が本物の証拠であり、誇るべき事象だ(「知名度は必要ない」というわけではなく、「知名度は必須条件ではない」という意味だ)。周りから有名でカッコいいと思われたいのか、利益を出したいのかによって、やるべきことは変わる。

当社は、知名度を上げるためだけの無駄なことに、お金も時間もかけないから利益が上がっている。極論を言えば、購入者だけに商品の存在を知ってもらえればいい。むやみに知名度を上げようとするとコストがかかるので、買う人以外には認知されないようにしたい。商品を必要とするお客様だけに知ってもらい、そのお客様と長くおつき合いする。少しずつお客様が増え、結果的に知名度が上がるのが理想だ。

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