配偶者がパートで働いている場合、その所得によって扶養控除額は変わる。税理士の梅田泰宏さんは「パートタイム労働には4つの壁がある。これを知らないと、せっかくたくさん稼いでも家計としては損をする可能性がある」という――。

※本稿は、梅田泰宏『知らない人だけが損している「給与明細」のカラクリ』(青春新書)の一部を再編集したものです。

お金を数える手元
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配偶者特別控除があっても重要な「103万円の壁」

入社14年目の会社員、高橋さんは妻と2人暮らし。妻はパート勤めで年間150万円を少し超えた収入がある。この場合、妻は健康保険料や雇用保険料などの社会保険を支払う必要があり、40歳になったら介護保険料も引かれるようになる。一方、配偶者の給与収入が201万6000円未満なので「配偶者特別控除」の対象となり、高橋さんは年末調整で36万円の所得控除を受けられる。

――結局、妻のパートってどれくらいがお得なんですか?

それはなかなか難しい問題なんですよ。まずは配偶者の「パートタイム労働の壁」を把握しておきましょうね。配偶者のパートタイム労働には、扶養控除などを受ける上でいくつかの「壁」があります。

――ああ、なんか聞いたことあります。意味がわかっていませんが……。

まず、あまり有名じゃない「100万円の壁」。100万円を超えると、個人住民税が発生します。ただし、年間7000円とかなので、あまり縛られる必要はないでしょう。

次はとても有名な「103万円の壁」。これは、扶養者の所得から配偶者控除38万円を差し引ける上限です。ですから、とても重要な壁だったのですが、現在ではそれほどでもなくなってきました。なぜだかわかりますよね?

――はい。配偶者特別控除ができたから。

そのとおりです。配偶者特別控除が150万円まで同じ38万円の所得控除をカバーしてくれるようになったため、まるで現在の「ベルリンの壁」のように、意識しなくてもよくなりました。ただし、いまだに重要な壁であるケースも多いです。