有料会員には複数の台風進路予測などを提供

アプリでは現在地や登録した地点の天気や気温などの基本情報のほか、降水確率は「5分ごと」「1時間ごと」「今日明日」「週間天気」から切り替えて見ることができる。他社が1時間ごとであるのに対し、5分ごとの天気を提供しているのは業界唯一となる。

また、地図上に雨雲の状況を表示する雨雲レーダーや、台風の進路予測、各地のライブカメラ映像などに加え、季節にあわせた情報も豊富に提供。熱中症警戒度や花粉の飛散状況のほか、各地の紅葉や桜の開花時期なども毎年公開している。

これらのうち、5分ごとの天気を含む時系列の天気や1時間後までの雨雲レーダー、基本的な台風情報や季節の情報はアプリをダウンロードするだけで無料で閲覧できる。有料会員向けには、ウェザーニューズ、気象庁、JTWC(米国海・空軍合同台風警戒センター)の3団体の台風の進路予測を比較できる「3本予測」や、台風の公共交通機関への影響予測、現在地の降水量を予測する「大雨ピンポイント情報」、任意の地点の気象情報をプッシュ通知で受け取れる機能など、より詳細な気象情報を提供している。

雨雲レーダーの精度がウェザーニュースのウリ

他社との違いについて、ウェザーニューズ取締役でモバイル・インターネット気象事業主責任者の石橋知博氏は「雨雲レーダーの精度向上には特に注力しており、当社のアプリ内で最も人気が高いコンテンツとなっています」と胸を張った。

撮影=プレジデントオンライン編集部
アプリについて解説する石橋氏

雨雲レーダーとは、その時間ごとの断片的な天気予報とは違い、雨を降らせる雨雲の動きを視覚的に追うことのできるコンテンツだ。ウェザーニュースの場合、雨雲の動きが250m四方・10分間隔で表示され、1時間先までは無料、有料会員になると27時間先まで閲覧可能になる。

ライバルのtenki.jpは「15時間先まで無料」のため、ウェザーニュースのほうが強気の価格設定にはなるが、石橋氏は「精度の高さで差別化を図っている」と自信を見せる。

ウェザーニュースの雨雲レーダーは1時間後以降も画質が粗くならない(「ウェザーニュース」より)

「他社アプリの雨雲レーダーの映像は1時間後以降の解像度が低く、荒くぼやけた映像になっています。私たちは、過去の雨雲レーダーをAIで解析し、独自の気象モデルとマッチングさせることで、高解像度の映像を実現しています」

アプリ内に表示される情報の基となる“生データ”はいずれも気象庁のレーダーによる情報だが、そのデータをAIなどを駆使して独自に処理することで最終的な見え方は大きく変わるという。実際にいくつかのアプリの雨雲レーダーを比較してみたが、1時間後の地点を過ぎてからの画質にかなりの違いが生じていた。

画像が粗いと、自分の現在地で雨が降るのか、それともギリギリのところで回避できるのかを判別できない。自転車やバイクでの移動では、雨が降るかどうかで服装が大きく変わる。この精度の違いを高く評価するユーザーは多いのだろう。

雨雲レーダーの追跡時間を従来の15時間から業界初の27時間に延長したのは今年7月。「翌日の雨雲の動きを詳しく知りたい」というユーザーからの要望に応えて対応した。台風やゲリラ豪雨など、突発的・局地的な大雨への備えを行いやすくなり、防災・減災にも役立っているとして、ユーザーからは好評だという。