「無料で使ってもらえるだけでも違いがわかる」

現在は順調に有料会員を伸ばしているものの、サービス開始当初はかなり苦戦したという。同社は1999年2月にiモードサービスの開始と同時に携帯電話向けコンテンツをスタート。当時はまだ珍しかった「ピンポイント天気」などを月額100円で提供していた。

しかし、「天気予報に課金するなんて」というユーザーの意識は強く、初月の有料会員はわずか4人。手数料などが差し引かれた後の、ドコモからの売上入金額は67円だったそうだ。

以来、“技術の進化とともにコンテンツを進化させていく姿勢”を重視し、新しい技術を使った機能を随時追加して現在に至っている。

同時に、それまで有料で提供していた機能を状況に応じて無料化する施策も行ってきた。2020年には、ユーザーからの人気が高い「5分ごとの天気」を無料開放。人気機能の無料化で無料ユーザーが増え、それが有料会員となりうる潜在顧客の増加につながっているという。

人気機能であれば、そのまま有料を維持して会員の獲得や囲い込みに利用する方向となってもおかしくない。それをあえて無料にする「ウェルカム」の姿勢も、同アプリが親しまれる要因となっているのかもしれない。

アプリを実際に操作する石橋氏
撮影=プレジデントオンライン編集部
アプリを実際に操作する石橋氏

石橋氏はこう締めくくった。

「おそらく多くの方が、“天気アプリはどれも大して変わらない”という認識だと思います。でも、使ってみると精度の高さなど違いを実感してもらえるはずです。まずは多くの方に試していただきたいですね」

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