専制主義の中国やロシアへの対抗軸となることを鮮明に
6月15日付の産経新聞の社説(主張)は大きな1本社説の扱いで、「G7サミット 中国抑止へ行動の時だ 民主主義陣営の結束示した」との見出しを掲げ、こう書き出している。
「自由や民主主義、法の支配といった普遍的価値観を共有するG7が、専制主義の中国やロシアへの対抗軸となることを鮮明にした」
「日本や世界の自由と民主主義、平和、繁栄を守ることにつながる。高く評価したい」
見出しも書き出しも、概ね理解できる。
産経社説は台湾問題などを取り上げた後、「(G7は)新型コロナウイルス対策では中国の『ワクチン外交』を意識し、ワクチンの10億回分供与相当の途上国支援を決めた。ウイルスの起源についての調査を中国などで改めて実施することも世界保健機関(WHO)に求めた。どちらも極めて重要である」と指摘し、次のように主張する。
中国の腹の底にある「債務のわな」という思惑
「自らに都合の悪い事実を隠蔽するのは、中国政府の常套手段である。ウイグル人の強制収容所の実態も明かされない。世界の人々の生命と健康、人権を守るため、これらの徹底解明が必要だ」
隠蔽体質は中国の根本的問題である。日本と欧米各国はその体質の弊害を中国に理解させるべきだ。
さらに産経社説は「中国の在英大使館は『少数の国が操るべきではない』とし、G7サミットに反発した。だが『債務のわな』で、途上国をがんじがらめにして影響下に置こうとしているのは中国である」とも指摘する。
「債務のわな」。途上国にワクチンなどの支援をする裏で政治的経済的に支配下に置き、その国から富をかすめ取ろうと企む。なるほど、これも中国の腹の底にある大きな思惑である。