「アメリカは病気だ。その病気は軽くない」と中国報道官

中国政府はG7の首脳宣言に強く反発している。中国外務省の趙立堅報道官は6月15日の記者会見で「中国を中傷し、内政に干渉するものだ。アメリカなど少数の国が対立と溝をつくり、隔たりと矛盾を拡大させようという下心を露呈させている。中国は強烈な不満と断固たる反対を表明する」と述べた。

さらにアメリカに対しては「アメリカは病気だ。その病気は軽くない。G7はアメリカの脈を測り、処方箋を出すべきだ」と強く非難した。

反発はこうした声明だけではない。台湾国防部によると、15日に中国軍の戦闘機や爆撃機など計28機が、台湾南西部に位置する防空識別圏に入った。進入が常態化した昨年来、1日に入った機数としては最も多い。台湾に対する脅しであり、首脳宣言が台湾に言及したことに対する軍事行動である。中国政府は国際社会を馬鹿にしている。

なぜG7開催中に周庭さんを出所させたのか

奇しくもG7開催中の6月12日、2019年6月の無許可の抗議デモの集会を扇動したなどの罪で服役していた香港の女性民主活動家の周庭氏(24)が出所した。

昨年12月に禁錮10月の実刑判決を言い渡されて服役中だったが、今回、模範囚と認められて刑期が短縮されたという。

その背景には中国政府の思惑があるのではないか。G7開催中に出所させることで、表立った批判をかわそうとしている。中国政府としては先進7カ国などの国際社会と決定的に対立するわけにはいかない。アメとムチを使い分けているのだ。中国としては貿易に支障が出れば、経済が成り立たなくなり、国自体を維持できなくなる。習近平政権を制御するには、このあたりをうまく突くべきだろう。

ところで、テレビのニュースで出所する周氏を見た。集まった報道陣には何も答えず、終始無言だったが、強い視線は何かを訴えているようだった。白い大きなマスクを掛けていても分かるほど、ほほがやせこけ、それが服役の過酷さを物語っていた。民主活動をしないように厳しい洗脳教育を受け、精神と肉体が限界に来ていただろう。

この日の夕方、周氏は自身のインスタグラムに真っ黒な画像を投稿し、「苦しみの半年と20日が終わりました。やせて体が弱くなってしまったので、十分に休みたいです」と書き込んだ。

沙鴎一歩はこれまで周氏にエールを送る記事を度々書いてきた。今後は、できる限り早く、自由と民主主義が守られる国に亡命したほうがいいだろう。その国で世界の民主活動家らとともに香港の自由と民主主義を取り戻す運動を続けてほしい、と思う。