G7首脳宣言が初めて「台湾問題」に言及

6月13日午後(日本時間同日夜)、イギリス南西部の保養地コーンウォールで開かれていた先進7カ国首脳会議(G7サミット)が3日間の日程を終え、首脳宣言を採択して閉幕した。

2021年6月11日、G7首脳会議の晩餐会前の写真撮影。左からメルケル首相(独)、マクロン大統領(仏)、中央のエリザベス女王を挟んでトルドー首相(加)、ジョンソン首相(英)。後方にいるのが菅義偉首相。
写真=PA Images/時事通信フォト
2021年6月11日、G7首脳会議の晩餐会前の写真撮影。左からメルケル首相(独)、マクロン大統領(仏)、中央のエリザベス女王を挟んでトルドー首相(加)、ジョンソン首相(英)。後方にいるのが菅義偉首相。

今回のG7の大きな目的は、国際社会が協力して覇権主義的かつ専制主義的な姿勢を強める一党独裁の中国・習近平(シー・チンピン)政権を抑え込むことにあった。首脳宣言は中国を意識し、民主主義と自由主義の考え方に基づき、「すべての人々のためのよりよい回復」が約束された。

首脳宣言では、中国が台湾に軍事圧力を強めていることを批判し、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強く求め、両岸問題の平和的な解決を促す」と盛り込まれた。首脳宣言で台湾問題に言及したのは今回が初めてである。

G7各国が一致団結して中国の脅威に立ち向かう姿勢を示す絶好のチャンスだ。民主主義の国々が習近平政権に圧力をかけ、世界の平和と安全を維持することが肝要である。

習近平氏は国家主席から最高ポストの「党主席」に就きたい

中国は軍事力を背景に、東シナ海や南シナ海のサンゴ礁の島々を埋め立て、軍事要塞化を進めている。日本古来の領土である沖縄県の尖閣諸島周辺の海域では、中国海警船が侵入を繰り返して、日本の漁船を追い回している。こうした中国の横暴についても首脳宣言では「深く懸念する」と憂慮の意を示した。

軍事的な脅しを受け続ける台湾、ジェノサイド(集団殺害)が国際問題になっている新疆しんきょうウイグル自治区、民主派が暴力と悪法で強制的に排除された香港。中国は台湾、ウイグル、香港を絶対に譲れない「核心的利益」、他国の口出しを認めない「内政問題」と強調するが、首脳宣言は基本的人権を踏みにじる行為として糾弾した。

さらには中国の巨大経済圏構想の「一帯一路」に対抗するため、途上国向けのインフラ(社会基盤)の整備支援を先進7カ国で強化していくことも宣言された。

それにしても習近平政権は世界の平和と安定をどう考えているのか。世界平和を犠牲にして中国共産党が繁栄することを願っているとしか思えない。習近平氏本人は国家主席から毛沢東ら以来の「党主席」へと上り詰めたいのである。そのためにこれまで中国内部の対立勢力を徹底的に潰し、習近平氏に逆らう者を排除した。だが、すべてが習近平氏の思惑通りにいくとは限らない。