沖縄の行政がやるべきは、彼女たちの状況を正確に理解し、職業訓練を2回受けられるような仕組みを作るなどの、独自の対応だ。これまで支援団体と行政がバラバラに行ってきた対策を連携させ、ダブルアプローチを視野に入れた取り組みをしない限り、彼女たちが望む支援を受けられることはないだろう。
年齢制限を迎える彼女たちの末路
支援団体や行政が支援介入に手をこまねいてきた一方で、キャバクラ嬢には「普通の仕事をしていないから」という劣等感がある。どんなに売り上げがあるキャバクラ嬢でも「普通の人とは違う」と認識しているためだ。恥ずかしさ、後ろめたさ、劣等感で自ら行政に足を運ぶハードルは非常に高い。
取材に応じた彼女たちが気にしているのは、支援団体にも行政にもありがちな彼女たちへの眼差しだった。同情的だったり、非情的だったり、時には差別的な視線を向けられることがある。これは彼女たちを一般社会から遠ざけてしまい、より孤立させる結果につながってしまう。
キャバクラには“年齢制限”という暗黙の了解がある。夜の世界へ入るハードルが他の都道府県と比べて低い沖縄県は、今の現状を放置しておくと、彼女たちが働けなくなる年齢に差し掛かったときに一気に貧困率が上がることが予想される。それを予測した何らかの動きが必要だ。