仕込みから提供までアルバイトでも運営できる
(2)唐揚げ専門店は運営しやすい
唐揚げ専門店という業態は、絞り込んだアイテムで運営できる。新規開店から1週間程度でオペレーションを軌道にのせられるため、大量出店が可能となる。
また、アイテムが少ない強みを活かして、自動フライヤーを導入して中心加熱温度を考慮した調理設定をすれば、安定した商品提供ができる。そのため、仕込みから提供までのオペレーションがパート・アルバイトで運営しやすい。
この点において、アークランドサービスホールディングが唐揚げに目をつけたのは、母体の「かつや」に通じるところがある。
(3)家庭の食の外部化による後押し
女性の社会進出や高齢者を含む単身世帯の増加で、食の外部化が進み、家庭内で揚げ物がされなくなった。高齢者にとって揚げ物は火災のリスクなどがあり、油の処理も大変だ。年々日本の家庭では揚げ物をしなくなっている。これは揚げ物全体のマーケットの拡大に寄与していると考えられる。
(4)味付けのバリエーションが可能
唐揚げより前にブームだったとんかつ屋は、とんかつソースやおろしぽん酢などのソースで食べさせるものであり、単体ではどうしても味の差別化がしにくい。しかし、唐揚げは香辛料を含めた味付けのバリエーションに消費者が寛容だし、それ自体を店の特色にすることができる。
(5)低いプライシングが可能
(1)で述べた通り、輸入ブロイラーは安い。月々の食費やお小遣いの総額は総菜店・弁当店・外食店利用の大きな制約要因である。低い値付けができるということは利用頻度が高くでき、他の業種に比べて有利に働く。