考えが浅いと何かと突っ込まれやすくなるという悪循環

また、少し違う視点や角度から質問されると、そうした方向から考えてみたことがないため、もう何がなんだかわからなくなります。

これでは、頭がぐるぐる混乱して、わけがわからなくなってしまうことが、ほとんどではないでしょうか。

また、一度でもそういうことがあると、「あの人は、あまり考えずに発言したり、行動している」と認識されてしまい、「あの人は、いい加減だ」と次々に突っ込んだ質問をされることになります。

そして、上司や先輩から、場合によっては部下や後輩からも追及されることになってしまうのです。

考えが浅いと何かと突っ込まれやすく、また突っ込まれたら最後、立ち往生してしまいがちです。

それをごまかすために、逆上したり、怒鳴り散らしたり、ぜんぜん関係のない人を攻撃したりする人もいます。それでは、ますます信頼を失うことになりますし、周りの空気も悪くなりますから逆効果です。

「考えが浅い」というのは、どこかで聞いた話を鵜呑みにして、あまり問題意識を持たないことです。表面的な現象や、状況を吟味せずに信じ込んでしまったりします。本当かどうかを確認すらしないのではないでしょうか。

ですから新聞、雑誌、ブログなどに書いてあることをそのまま信じてしまいがちです。テレビのニュースやバラエティーショーで有名人が言っていることをそのまま事実であると思い込んでしまうことも多くあるでしょう。

本当にそうなのかと考えてみることをしないので、事実の把握が不正確で、当てになりません。頭もまったく整理されていません。

そうした環境のなかにいれば、「考えが浅い」「表面的」と言われても反論のしようもありません。まさにそのとおりだからです。

写真=iStock.com/metamorworks
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思考が表面的に終わってしまう理由

考えが表面的に終わってしまう理由の一つとして、メディアに出ていることをそのまま信じてしまう、ということがあります。

日本人の多くは、メディアで言われていることをすぐに信じてしまいます。テレビや有名新聞社の報道が、まさか嘘を流したり、捏造したりしないだろうと信じているようです。メディアは正確で、間違えることもないだろうと思っている人が多いのです。

メディアからの情報は、すべて誰かが何らかの意図を持って発信しているものですし、ニュース・ソースが片寄っていたり、明らかに間違いであることはいくらでもあるのです。まずは、疑ってかからなければならないのですが、日本人の多くは盲目的に信じてしまいます。

これは世界的に見るとかなり珍しいことで、欧米の人もアジアの人もメディアに関してはかなり批判的に見ると言われています。そもそもメディアは批判的に見る、ということが一般的に浸透しているのです。