日本人は常に「聞いたまま」で終わってしまいがち

また、日本人がメディアを信じやすい理由として、英語のニュース、記事、本をほとんど読んだり聞いたりしないことも挙げられます。読んだり聞いたりできないというのが真相ですが、その結果、一部の人が翻訳したものだけが使い回されて、何度も何度も取り上げられるという傾向があります。

その意味で海外の情報は極めて片寄っているのですが、日本のメディアとの矛盾、ギャップなどを感じる機会が少ないという不利な背景もあります。

また、他人が言うこと、専門家が言うことなど、自信を持って言われると、そのまま信じてしまう傾向があります。

その意味でも日本人は、お人好しであり、自分の考えを持っていないとも言えます。

そうなると、どうしても考えが浅く、表面的に終わってしまいます。自分で納得するまで掘り下げ、情報収集をし、自分の考えを整理する習慣がないからです。それでは常に聞いたままで終わってしまいます。

「考えが浅い」と言われないために

「考えが浅い」と言われないためには、常に「なるほど、そうか」と思えるレベルまで考えるようにしておく、ということに尽きます。

赤羽雄二『瞬時に切り返す会話術』(MdN新書)
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そこまで考えておくと、上司や周りの誰かに突っ込まれても、その場で、「それはこういうことです」「ご指摘のとおりですが、こういう理由があるため、今回はこのようにしました」などと、動じずに答えることができるようになります。

このように一度ビシッと答えると、追加の質問が出にくくなります。一から十までを疑われて質問されるということがないわけではありませんが、多くの場合は、一応は相手を信頼しているが多少の確認が必要だから聞いている、ということのほうが多いのです。

したがって、最初に動じずに答えておけば、あとの追及の手がゆるむ、ということになります。これは、質問をする側の心理の問題です。もちろん、最初にしどろもどろになると、次々に質問の矢が飛んで来る、ということにもなります。

自分では、これでいいと思っていたことが、実は浅かったということもよくあります。

したがって、「考えが浅い」「表面的だ」と一度でも言われたことがある人は、試しに、考えたことを事前に第三者に話してみて、「なるほどね!」と言ってもらえるかどうかを確認することをお勧めしています。

そこで、「どうしてそうなの?」「さっぱりわからないけど」「後半で説明が飛んでるよ」と言われるようなことがあれば、その部分を振り返って深掘りしてみます。自分では気づかない部分が必ずあるものなので、そうやって確認することで素早く改善できます。

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