職業に貴賤なし? 社会には厳然としたヒエラルキー(階層)がある
50歳をすぎて定職につけないおじさんがいる一方で、同い年でプライベートジェットに乗って、世界中を飛びまわるビジネスマンがいる。10円安い卵のために20分自転車を漕こいで買い物に行く主婦もいれば、高級外車でスポーツクラブに通う同い年の主婦もいます。
そういう格差を見聞きするうちに、社会には、厳然としたヒエラルキー(階層)があるのを知ることになります。こういうことは学校や家庭で教わったことはないでしょう。時給800円で年収が100万円にしかならないフリーターがいる一方で、一瞬で、その年収分稼いでしまう投資家もいるわけです。それはいったい、なぜなのか?
「職業に貴賤なしと言うわりには、楽して稼げる仕事もあれば、汚い作業をやってもあまりお金にならない仕事もある。厳然とした身分の違いがあるんじゃないか?」
そう漠然と思いながらも、これまで突きつめて考えたことはなかったかもしれません。たしかに、日本は、そこまでひどい格差社会ではないので、ボーッとしていると、一見みな平等な感じがしてしまいます。でも、「社会のヒエラルキー」について知っておかないと、自分の人生の可能性を見つけられないまま、普通の人生を送ることになってしまいます。
世界にファーストクラスで旅して好きなことだけやる自由人がいる理由
18歳や22歳になったら「どこかに就職する」以外にも生き方の選択肢があるのに、それを知らないで歳を重ねてしまうと、途中で人生を変えるのは難しくなります。もし、あなたがごく普通の家庭で生まれたなら、両親のどちらか(あるいは両方)が働いていたと思います。会社や役所に勤めていたり、自営業で自分のビジネスをやっていたかもしれません。
そういう生き方は、いまの95パーセントの人がやっているので、それが当たり前だと思うでしょう。生活のために、人生の大部分の時間とエネルギーを仕事に使うという生き方です。
でも、世の中には、世界中をファーストクラスでゆったりと旅したり、好きなことだけやって生きている自由人もいるのです。そこまでお金持ちじゃなくても、慎つつましい予算で家族で世界一周している人だっています。でも、海外に行ったり、英語が話せたりしなければ、そういう人の存在すら気づかないかもしれません。
なぜなら、普通に会社員をやっていると、そういう人となかなか人生がクロスしないからです。親戚やまわりの人が勤め人の場合、人生の見本が少なすぎます。世界を見渡すと、いろんな生き方の選択肢があります。これから長い人生を生きていくには、社会の構造や選択肢を十分に知ったうえで、自分が社会とどう関わりたいのかを考えましょう。