地方を住みやすくすることは実は簡単な話

エネルギー供給もそうだ。従来の電力網では、発電所で作られた電気が変電所などを経由し、送電線を伝って工場や家庭に送られていた。

橋下徹・堀江貴文『生き方革命 未知なる新時代の攻略法』(徳間書店)

そのために、発送電事業はどうしても大がかりにならざるをえなかったが、この常識がいまや揺らぎつつある。

太陽電池や充電池などの高性能化、低コスト化が急速に進んだことで、分散型エネルギー社会の可能性が見えてきたからだ。

従来広く使われてきた太陽電池はシリコン系だが、最近はペロブスカイト系の進歩が著しい。製造に手間がかかる硬いパネルのシリコン系と違い、ペロブスカイト系は印刷技術を使って大量生産できるため圧倒的に製造コストが安い。発電効率もシリコン系に迫るレベルになってきた。

充電池の主流であるリチウムイオン電池も改良が進んでいるし、次世代電池も続々と姿を見せはじめている。

電気を低コストで発電し、貯められるようになれば、従来のように巨大な電力網を構築する必要はなくなる。どこにいても電気が作れるし、余ったぶんは貯めておいて必要になったときに使えばよいのだ。

いまよりはるかに低コストでどこからでも利用できる通信サービス、エネルギーサービスがあって、自動運転車やドローン(小型無人航空機)、ロボットなどもある。

これだけの手駒があって、何ができないというのだろうか。ちょっとした規制緩和をするだけで、地方の問題などほとんどテクノロジーで簡単に解決できてしまう。地方を住みやすくすることなど、実は簡単な話だ。

それに個人は国や地方の問題など気にしてもしょうがない。自分の住みたい場所に行って、自分のやりたいことをやるのは、いますぐできることなのだ。

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