最強のお店は会いたいママがいる「スナック」

僕はこう見えても、実は人見知りだ。

すぐに打ち解けたりはしないし、そもそもあまり人と仲よくならない。初めて会う人とは距離を置いてしまうのだ。

だからこそ、仲よくなった人とはちゃんと仲よくする。

それはお店も同様で、通うお店は限られているし、そのお店も仲のいい人に会いに行くという感覚が強い。

そんな感じで「この人に会いたいからまた行きたい」と思わせるのがスナック的なコミュニケーションだ。

実はスナックは業態としてはかなり研ぎ澄まされていて、食事は簡単に用意できる乾き物だけだ。

他にカラオケとお酒があるだけ。アルコール類も酒屋と在庫を共有していて、足りないものを勝手に持ってきてもらって伝票を切るという方式だ。

だからこそ、人と人とのコミュニケーションが中心になっている。

ママと常連さんには信頼関係があり、ママがひとりで切り盛りしているようなスナックでは、お客さんがスタッフのように手伝っていることも珍しくない。

常連さんが「ママ、これ片づけとくよ」とグラスを下げたり、キープしていたボトルで勝手にお酒を作ったりしているのだ。

それを突き詰めていくと、スタッフを雇わなくてもいい飲食店ができるのではないかと考えている。

スナック的な飲食店は今後ますます求められる

スナックで提供する料理をすべてコンビニで調達すれば、格安業態へ進化させることも可能だろう。最近はコンビニの冷凍食品がおいしいから、ちょっと手を加えれば十分においしい料理になる。

さらにいえば、料理もおつまみも置かず、持ち込みのみにしてもいい。

堀江貴文『死なないように稼ぐ。』(ポプラ新書)

そんなスナックをコンビニ横に作れば、コンビニで買ってそのまま持ち込める。持ち込み料を500円くらいに設定しても、お店にいるうちにいろいろ追加でお酒などを頼んでしまうので、結果的に客単価はあがるはずだ。

シャンパンなんかを置いて記念日に対応すれば、さらなる売上も望める。

コンビニの横でないなら、ホテルの隣か中でもいい。部屋飲み感覚で利用できるからだ。『ドーミーイン』が今すぐやるべきビジネスは「スナック」で間違いない。「人」が中心のスナック的な飲食店は、今後ますます求められるようになる。

現状のスナックでも研ぎ澄まされているが、さらなるアップデートを加えることで、「無敵」のスナックを生み出したい。

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