60万人超のキャンセル待ちがいるドライヘッドスパ店
意識していないだけで、「バーチャル行列」を作っている人気店はけっこうある。
象徴的なのは、ドライヘッドスパの『悟空のきもち』だ。
運営会社の社長と対談したことがあるのだが、『悟空のきもち』には、現在60万人超のキャンセル待ちがいるそうだ。
人気の理由は施術などのクオリティもあるとは思うが、その状況を生み出している重要な要素は他にもあると分析している。
ポイントは「少人数制」→「予約ループ」→「バーチャル行列」のコンボだ。
そもそも『悟空のきもち』は日本に5店舗しかない。ニューヨークにも店舗があるが、あえて店舗を絞っている。
さらに各店舗もキャパは10人程度だろう。一度に施術できる数をあえて「少人数に抑えているのだ。
キャパが少ないと、予約が取りづらくなる。そして、常連さんは来店した際に優先して予約できるようになっている。予約が取りづらいので、常連さんのほとんどが次回の予約をしてくれる。これが「予約ループ」だ。
常連による「予約ループ」から「バーチャル行列」のコンボ
予約が常連さんで埋まってしまうと、新規のお客さんはさらに予約が取れなくなる。予約できないキャンセル待ちの人が増え、「バーチャル行列」が生まれる。
キャンセルが発生した場合は、キャンセル待ちリスト(=「バーチャル行列」)にアナウンスすれば、瞬く間に予約が埋まるのだ。
いったんキャンセルしてしまうと「予約ループ」から抜けて次の予約が取りづらくなるので、そもそもキャンセルが発生しにくい。
ドタキャンが発生してもすぐに空いた枠は埋まるし、新しい常連さんを生み出すことにつながるので、ドタキャンが問題ではなくなる。
さらに、お客さんの数を絞っているので、サービスレベルの向上に力を入れることもできる。サービスが向上すればさらに人気が高まってさらなる好循環につながっていくだろう。
このコンボはかなり強力だ。
出だしのポイントは、数を絞ってサービスを向上させること。「常連化曲線」を意識して、一定数の常連さんがついてくれたら、「予約ループ」から「バーチャル行列」のコンボが活用できるようになる。
その状況になれば、確実に経営は安定する。
応用できる業態は多いので、ぜひ取り入れてみてほしい。