【NG言動・2】「あなたは○○だから、○○しなければならない」
「あなたは字が汚いから、もっときれいに書かないと点がもらえないわよ」
「あなたはいつも雑だからミスが多いのよ。もっと丁寧にやりなさい」
解き方は理解しているのに、字が汚かったり、雑だったりするために、つまらないミスをしてしまう。親としてはガッカリなことを平気でしてしまうのが、小学生というもの。そこで、なんとか正そうとついこのような言葉を投げてしまいがちだが、これも逆効果だ。前半の○○は欠点の指摘、後半の○○は義務。こういう言い方をされると、自分は叱られているんだと思い込み、心を閉ざしてしまう。
だが、これを「あなたは○○だから、お母さんは○○してほしいな」とアイメッセージを加えると、相手の受け取り方も違ってくる。
「あなたは字が汚いから、計算ミスが多いわね。やり方は分かっているのに、計算ミスで×になるって悔しいでしょ? お母さんも悔しいからもうちょっと丁寧に字を書いてほしいな」
こういう言い方だと、アドバイスとして受け入れられるようになる。
また、言い方を変えてみるという手もある。
「あなたはいつもスピーディーだから、もう少し落ち着いて丁寧に書くといいと思うわ」
本心は「雑」と思っていても、「スピーディー」という言葉に言い換えると、長所のように感じるので、言われてもあまりイヤな気持ちにならないというのがポイントだ。同じ特徴を短所として伝えるのではなく、長所として伝えて気づかせる。ただ、とっさにはこういう気の利いた言葉が出てこないので、「短所→長所」の言い換えワード集をあらかじめ作っておくといいだろう。
【NG言動・3】「ちゃんと覚えなさい!」
「ちゃんと覚えなさいと言ったのに、また忘れている!」
この言葉も中学受験家庭ではよく出る言葉だ。前に習ったことがあるのに、忘れてしまう。親としては歯がゆく感じるのだろう。中学受験に必要な学習範囲は膨大だ。塾では1回の授業で1つの単元を終わらせなければいけないので、次から次へと新しい単元を習う。すると、前に習った単元を忘れてしまう。でも、それを振り返る時間がなくて、分からないことがどんどん積み重なっていく。その不安を解消したいために、投げてしまうのがこの言葉だ。
だが、この「ちゃんと覚える」には注意が必要だ。特に算数について言う場合、丸暗記させようとしていることが伺える。しかし、算数は暗記して覚えるものではない。「なぜそうなるのか」「どういうときに使うものなのか」納得した理解を得ていないから、すぐに忘れてしまうのだ。まずは、納得感を持って理解させることが先決だ。