「理科社会=暗記科目」ではない

理科と社会は暗記科目と言われているが、それは正確ではない。丸暗記ではすぐに忘れてしまう。「ちゃんと覚えなさい!」というやり方が通じるのは、社会の地図記号を覚えるといったごく一部の単純な知識に限られている。覚えたことを忘れないようにするには、「なぜそうなるのか」という理由や因果関係を把握しておくことだ。また、社会の歴史はつながりや流れをつかんでおくことも必要。でも何より、興味を持たせることが重要だ。子供は興味があれば自然と覚える。その吸収力は大人以上だと感じている。

実験室でビーカーを使用して実験する
写真=iStock.com/Narongrit Sritana
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「ちゃんと覚えなさい!」

この言葉が続くときは、丸暗記の勉強になってしまっている可能性が高い。近年の中学入試では、知識そのものを聞かれる問題はほぼ出ない。覚えた知識をベースに考えさせる思考系や記述系の問題がほとんどだ。そういう問題に対して、丸暗記は通用しない。「ちゃんと覚えなさい!」という言葉を投げたくなったら、勉強のやり方を見直すサインだ。丸暗記になっていないだろうか? ちゃんと頭を使って勉強しているだろうか? 振り返る必要がある。

【NG言動・4】「頑張れ!」

受験には頑張りが必要だ。でも、「頑張れ!」と言われれば言われるほど、子供は自分が頑張っていないと責められているように感じてしまう。

そこにさらに追い打ちをかけて「頑張らないとダメよ」という母親がいる。こうなると、子供は「頑張っていない自分はダメなのだ」と、二重のダメージを受けることになる。

こういうときも言葉を換えたり、アイメッセージで伝えたりする方が効果的だ。例えば「頑張る」を「努力」に言い換えてみる。

「あなたはもっと努力ができる子だと思うんだけど」

こういう言い方にすると、子供のやる気が上がる。

または「お母さんはあなたにもっと努力をしてほしいと思っているの」とアイメッセージで伝えてみる。そうすれば、「頑張っていない」と責められているようには感じなくなる。

小学生でも5~6年生になると自我が芽生え始め、親の言うことに反発する子が出てくる。特に母親に叱られると、子供は反抗する。そうやって親子で気持ちのぶつけ合いをしていると、親子関係が悪くなってしまうこともある。反抗期が悪いわけではないが、できることなら受験勉強はおだやかな環境で進めていきたい。そのためには、否定語を肯定語に変えるのは有効だ。