第4波は来る、ここ1年、3~4カ月の周期で感染の波がやってきた

日本ではこれまで新型コロナの3つの「波」を経験してきました。第1波は2020年の3月から。4、5月にかけては1回目の緊急事態宣言が出ました。マスク不足やこれまでなかったウイルスへの恐怖もあり、「自粛」は国民に広く徹底されました。

第2波は、夏にやってきました。コロナに少し「慣れ」が生じたことと、緊急事態宣言が出されなかったこともあり、第1波よりも波が高くなりました。

そして、2020年の11月ごろからまた感染者数が増えました。第3波です。12月末には都内で1日の感染者が1000人を超え、年明け早々には2000人を突破。感染爆発の懸念もあり、2021年1月からは11の都府県に対し2回目の緊急事態宣言が出て、首都圏では現在も続いています。

こうした流れを俯瞰すると、3~4カ月に一度「波」がやってきたことが分かります。そして、回を追うごとに感染者数が増えて、波が大きく高くなっています。

現在の第3波の発生した背景を気温低下などの季節要因で説明する専門家もいますが、それでは昨夏の第2波が説明できません。となると、どれだけ新規感染者数を低くしたとしても、この後、第4波が来る確率は高いのではないでしょうか。

ワクチン摂取が30%以上のイスラエルの数字を見ると、ワクチンの効果は高いようですが、接種の進度が遅い日本ではそのレベルには達しそうにありません。また、変異株の流行の懸念も指摘されています。

写真=iStock.com/mstwin
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緊急事態宣言下の東京の人々を見ていると、「気持ちの緩み」は明らかです。すでに新規感染者数の減少は底打ち感があり、解除後は感染者数が増えるでしょう。もし、GoToトラベルなどが再び解禁されるとなおさらです。経済の崩壊も回避しなければならず、政府はこの先も感染と経済という非常に難しいバランスを取らなければならなくなります。

「普段より多い手元流動性を持つことをお勧めします」

冒頭でも述べましたが、飲食や旅行関係、イベント関連など、業績が厳しい業界の方は、しばらくは普段より多い手元流動性を持つことをお勧めします。感染症の専門家ではない私の予想が100%当たるとは限りませんが、保険の意味でも資金を確保しておいたほうがいいでしょう。

政府は、飲食店には「一律6万円」といった大ざっぱな政策を続行せず、固定費などに応じた弾力的な補助をすべきです。一人か二人で営んでいる飲食店では、かえって普段より儲かるので「海外旅行にでも行きたいが、この状況では」というような腹立たしい話も耳にします。

私は昨日、大規模に飲食店を展開する経営者から「大型店の縮小のタイミング」の相談を受けました。飲食店だけでなく、政府はもっときめ細かな対応が必要です。

いずれにしても、この先のわが国の感染者数の推移とワクチンの接種の進行具合を注意深く見ていく必要があります。

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