「一番の努力家」と言われるワケ

【三宅】なるほど。守破離しゅはりの「守」はスパルタのほうが効率的ということですね。

【宮原】そう思います。とくにフィギュアスケート選手は若年齢化していますから、幼少期にどれだけみっちり基礎をつくれるかは大事だと思います。

【三宅】ちなみに宮原さんといえば、濱田コーチが「いままで指導した選手のなかで一番の努力家」と称賛されています。その原動力はどこからくるんですか?

【宮原】練習自体がすごく厳しい上に、私がとにかくスケートが大好きで、その上、昔から「これだ!」と決めたことは絶対にやり通すという性格なので、それらがすべて相まった結果、気がついたら24時間スケートのことを考える生活になっていた感じです。

【三宅】それにしても内に秘めたパワーがすごいということが、ひしひしと伝わってきます。

【宮原】いえ、自分ではまだまだパワーが足りないと思っています。

強靭な精神力を持つライバル、ロシアの選手たち

【三宅】尊敬している選手はいらっしゃるんでしょうか?

三宅 義和『対談(5)! プロフェッショナルの英語術Ⅱ』(プレジデント社)

【宮原】イタリアのカロリーナ・コストナーさんや、スイスのステファン・ランビエールさんですね。アイスショーでご一緒させていただくことがよくありますが、そのときは必ず演技を生で見るようにしています。

あと、ロシアの選手は、どんなときでも自分のできることを試合できっちりやりきるメンタルの強さを持っている方が多くて、尊敬しています。

【三宅】たしかにロシアの選手は強いですよね。それはやはり、宮原さんのように小さいときからスパルタで鍛えられてきて、それを勝ち抜いてきた選手たちだからですかね。

【宮原】そんな気がします。なにがあってもめげないし、ブレない、すごいメンタルを持っていますよね。ロシアの選手と比べたら、私はまだまだだなと感じます。

【三宅】そんなことはないと思います。ちなみに、先ほどカナダでは自分で考えることを重視するとおっしゃっていましたが、日本でそのようなスタイルの指導は受けられるものですか?

【宮原】もちろんコーチ次第だと思いますし、仮にスパルタのコーチについたとしても、結局は主体的に考えるという話なので、本人にそういう意思があれば、どのようにでもできると思います。

撮影=原貴彦
イーオン社長の三宅義和氏(左)とフィギュアスケート選手の宮原知子氏(右)。
(構成=郷和貴)
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