目的を明確にすることは「共通認識の欠如」を防ぐ

「ブレスト」であれば、あなたは最初にその場があくまで発散の場であること、発言ルール、終了時間などを参加者にアナウンスするでしょう。

「意思決定」であれば、決めることがゴールであり、それに関与しない発言はノイズになるのでしないようにと参加者にアナウンスするでしょう。

「情報共有」であれば、その場に議論は要らないこと、発言者は参加者に対して正確に把握することを注意事項としてアナウンスするでしょう。

いずれにせよ、あなたはその会議の最初で重要なアナウンスをすることができます。そしてそれが、その会議の行方や成否を左右する重要な行為であることは言うまでもありません。

なぜなら「共通認識の欠如」を防ぐから。その会議の目的やゴールを「はっきりさせる」行為とも言えます。それらが「はっきり」していれば、無駄な思考や議論をしないで済みます。だから、最初に何をするかでほとんどが決まるのです。

「曖昧であること」は人を不幸にする

様々な例を通じて、「最初にはっきりさせること」の大切さをお伝えしました。

深沢真太郎『数学的思考トレーニング 問題解決力が飛躍的にアップする48問』(PHPビジネス新書)

コロナ禍のいま、多くの国民はリーダーの仕事や発言に敏感になっていることでしょう。そして国民の共通する思いは、「はっきりさせて欲しい」「はっきり言って欲しい」ではないでしょうか。曖昧であること、なんとなくで進めてしまうこと、それが人を不幸にすることもある。そう思うのは私だけではないでしょう。

私はビジネスパーソンの研修を本業としていますが、当然ながら登壇する研修を明確に定義し、目的やゴールを言語化します。そしてそこから逆算してプログラムを設計し、何をどう伝えるかも決めています。

そしてそのメッセージは一貫性が必要です。一貫性を持たせるためには、定義が甘いと必ずうまくいきません。最初に何をするかでほとんどが決まる。だから定義が命である。それは、数学とまったく同じなのです。

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