定義することは「人生」に大きな影響を与える

一般論ですが「はっきりしている」ことは良いことです。

先ほどの例に挙げた「休日のスタンスがはっきりしている人」は、それだけ理想の休日を過ごせる可能性が高いでしょう。

あるいはビジネスにおけるマーケティングでも、そのビジネスの顧客は誰かがはっきりしているほうが戦略も立てやすいはずです。これはまさに顧客を定義する行為に他なりません。

もしあなたが企業で新卒採用の面接官を担当するとしたら、志望動機がはっきりしている学生とそうでない学生では心証が違うでしょう。ビジネスでもプライベートでも、「はっきりしている」ことはあなたの人生を豊かにする可能性が高いのです。

・定義は命である。
・定義するという行為は「人生」に大きく影響する。
・定義するとは、「そうであるもの」と「そうでないもの」をはっきりさせること。

ここまでの主張にご納得いただけたでしょうか。

「良い会議」をするために欠かせないこと

次はこんな問題をご用意しました。もしあなたがビジネスパーソンなら、このような場面をたくさん経験しているのではないでしょうか。

オフィスで働くビジネスマン
写真=iStock.com/anjeri
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【演習問題】
もしあなたが会議の進行役だとしたら、その会議で最初に何をしますか?

思い出してみましょう。あなたはこのような場面で、最初に何をしていますか。もちろん「そんなの、会議によるんですけど」とおっしゃる方も多いでしょう。であれば、あなたにとってもっとも重要度の高い会議を想定していただければ結構です。

もし会議の進行役をしたことがない場合は、近い将来にあなたが進行役を務める会議があると仮定してみてください。そして、その会議の最初に何をするかを想像してください。

この問題を通じてお伝えしたいのは、「その会議を定義できていなければ、その会議で最初に何をするかも決まらないはずである」ということです。

会議を定義するとはどういうことか。その会議が、ブレスト(ブレインストーミング)の場なのか、あるテーマの意思決定をする場なのか、単なる情報共有をする場なのか、といったことを明確に定めることを意味します。「はっきりさせる」と言い換えても良いでしょう。

会議を定義できている人は必然的に目的やゴールも明確です。ゆえにそこから逆算して会議を設計します。逆算を続けていけば、最終的には「この会議で最初にすること」も決まります。なんとなく企画してなんとなくメンバーを集め、当日も目的やゴールが曖昧な状態で始めた会議は、なんとなくやっただけで終わってしまうでしょう。